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薬草少女は今日も世界を廻す  作者: るなどる
第1節
8/159

3.苦さを克服?

「こんな感じかな?」

「色んなのできたねー」


 試行錯誤の末、今回は料理という形で苦さを克服するという形を取ることにした。


「しかし、意外だったなぁ」

「そうだねー、油で炒めたら味もまろやかになったねー」


 持ち運び用のパンやジャム、それと食堂で出す料理類ができた。

 ミラの家とのコラボで、『薬草フェア』という形でメニューを出せることになったのだ。

 これで薬草のイメージの改善になるはず!


「いらっしゃいませ、今日から新作の料理が始まりましたのでぜひお試しください」

「薬草フェアかぁ、普段の料理にも食べ飽きてきたしちょっと頼んでみるか」


 初日ということもあり、物珍しさから注文するお客さんもいた。

 パンやジャムも、冒険のお供にと買っていく人もいた。

 しかし、それも1週間も持たなかった。



「飽きた」

 その一言である。


「冒険でも薬草、村に帰ってから薬草もなぁ、違うものが食べたい」

「パンとかジャムの味はまあまあなのだが、薬草としての効果はほとんどないし、嵩張るんだよなぁ」


 予想以上に厳しい回答だった。

 結局、何を食べても薬草の味。それ以上でもそれ以下でも無いと。

 そう、材料が同じである以上、それ以外の味にはならないのだ。

 『苦い』ことがネックではなく、代り映えのしない『味』が問題だと。

 つまり最初から勘違いしていたのだ。


「ごめんね、ミラ」

「ううん、最初のほうに結構売り上げ良かったから1週間通していつもと同じくらいだよー」


 今回のことで思い知った。

 自分の願望だけで他人を巻き込んで、相手にリスクを押し付けるようなやり方はダメだと。

 今回は、たまたま首の皮一枚で繋がっただけのこと。

 下手をすれば、ミラの家を潰しかねないと。

 このままではダメである。これは私の野望だ。他人を巻き込んじゃいけない。

 ―――私だけで解決するべき問題だと。


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