表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薬草少女は今日も世界を廻す  作者: るなどる
第4節
71/159

66.お湯湧く泉で

「ふぅ、とりあえずこれで一段落かな?」


 作戦開始から数分、私たちは薬が効いてヒクヒクしている根荒らしたちをひたすら捕まえていた。

 ただ薬の効きが甘かったのか、途中で効果が切れて逃げてしまった根荒らしたちもいる。

 それでもかなりの数を捕獲することが出来た。


「お疲れさまー」

「お疲れ~」

「ごめん、何匹か逃げられちゃった」

「そうだね~。でも目標の数くらいは捕獲できたんじゃないかな~?」

「うん」

「これからどうする~?」

「んー、とりあえず捕まえた根荒らしを柵に入れに行って・・・あとは体をキレイにしたいかなぁ」

「あ~、リア泥まみれだもんね~」


 魔法で辺りが明るかったとはいえ、畑の中は走るのに不向きな場所だ。

 途中何度か躓いたり土を蹴り上げてしまったりしていたせいか、体中が土埃と泥にまみれていて気持ち悪い。すぐにでも水を浴びたい気分だ。

 後でゴブリナさんにお湯を借りられないか聞いてみよう。

 私たちはとりあえず根荒らしを柵の中に入れに行くことにした。

 柵に入れても暴れたり逃げだしたりするんじゃないかと思っていたけど、袋から出した後は意外にも静かだった。

 もしかして、囲われているところだと大人しくなるのかな?

 湧いてくる疑問は置いておいて、とりあえず今は体をキレイにするのが先!


「ただいまー」

「おや、お帰り。その様子だとうまくいったみたいだね」

「はい、全部じゃないけど結構掴まえれたと思います」

「そうかい。・・・しっかし泥まみれだねぇ?ちょっと家の裏においで」

「家の裏に何かあるんですか?」

「まあ、ついてきたら分かるよ」

「私もついて行こ~っと!」


 よく分からないけど、体をキレイにできればいいかな。

 私とミラはゴブリナさんについて行く。

 家の裏手には一回り小さな家があった。

 家の隙間からは、ほんのり温かい風が流れ出てきているようだ。

 ゴブリナさんが入り口の布を少しずらして中に入る。


「あんたたちも入っておいで」

「あ、はい」

「失礼しま~す」


 中に入ると、部屋の中央に湯気が出ている泉があった。

 それなりの幅と深さはあるようだけど、全身浸かるにはちょっと小さそうだ。

 泉の近くには、水を汲むのにちょうどいい大きさの木の桶が置いてある。


「わ~、温か~い」

「ここは?」

「不思議な場所だろ?地面からお湯が湧き出しているんだ。お湯が必要な時はここから使っているんだよ」

「へぇー。でも、何でお湯が湧き出しているだろ?」

「理由は分からないけど、使える物を使っているだけさ。泉には直接入らないで、その桶を使っておくれ。あと、濡らしたくないものがあるんだったらそっちの籠に入れておくといいよ」


 ゴブリナさんが指を差した先には、籠が置いてあった。

 あとで着替えとか出しておくに使わせてもらおうかな。


「アタシは先に戻って寝るから、終わったら綺麗にしておくんだよ?」

「わかりました、ありがとうございます」


 ゴブリナさんが出て行った後、バッグから着替えを取り出して籠に入れた。

 泥だらけの服を脱ぎ、頭からお湯をかぶる。

 ザパーッ!


「ん~、さっぱりー!」

「いーなー、私もやろ~っと!」


 ミラも服を脱いで、同じように頭からお湯をかぶる。

 ザパーッ!


「んぱ~っ、あったか~い」

「さて、服も洗っちゃおうかな」

「あ、終わったら次貸して~」

「うん」


 脱いだ服にはかなりの土が付いている。

 桶の中に服を入れると、お湯はすぐに茶色っぽく濁った。


「うわ~、結構汚れているなぁー」

「すごーい、真っ茶色だね~」


 まさに驚きの黒さ!

 ・・・そういえば、昨日の畑仕事の後に洗った記憶が無い。

 何度も水を替え、4回目になってようやく水が汚れなくなった。


「はい、お待たせー」

「ありがと~。じゃあ私も~」


 私は洗った服を持って、場所をミラに譲った。

 同じようにミラも服を洗い始める。

 私はミラに背中を向けるような形で、洗った服の水切りを始めた。

 突如後ろから、謎の呪文が聞こえてくる。


「きれいにな~れ、きれいにな~れ、ぴっかぴっかるんる~ん♪」

「ミラ?」

「ん、な~に~?」

「それ何かのおまじない?」

「おまじないじゃないけど、何となく”綺麗になるぞ!”って感じがしない~?」

「え、あ、うーん、そうかもねー?」

「でしょ~?ふんふふ~ん♪」


 ミラは色々器用だと思うんだけど、時々こういう謎の感性が飛び出すことがある。

 私は長い付き合いだから割と慣れてはいるんだけど、頭の方が付いてこれないこともしばしばあるのは事実だ。そういう時は、何となく流すことにしている。


「よし、終わりっ!」

「こっちも終わったよ~」

「じゃあ、後は部屋に持っていって乾かすだけかな?」

「うん、今日は疲れたし服を干したら寝ようね~」

「そうしよっか」


 冒険用の服は洗ってしまっため、とりあえず村の普段着に着替えることにした。

 もしここに冒険者がやってきたとしても、私たちはただの村娘A・Bにしか見えないだろう。

 まあ、街道からかなり外れた森の中に入ってくる物好きなんていないと思うけどね。


 さて、明日は畑も見ないといけないから、早く寝よーっと!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ