2.薬草は苦い
「薬草のイメージを一新したい」
昼下がりの静かな食堂に私の声が響く。
冒険者たちは皆、村の周辺に狩りに出かけている時間帯で誰もいない。
ここにいるのは、私とミラ、それに食堂で片付けをしているミラの両親くらいだ。
「唐突にどうしたのー?」
少し困ったような顔でミラが訊ねる。
「ミラは薬草のことってどう思う?」
私の急な問いにミラは少しうーんと考え、
「安い、苦いーかな?」
「はぁ、だよねぇ」
思っていた通りの答えだ。
いや、誰に聞いても同じ答えしか返ってこないだろう。
「何かあったー?」
「このままでいいのかなーって思ってね」
「薬屋がイヤなの?」
「そういうことじゃなくて、薬草ってミラに聞いた通りのものじゃない?」
「私はちょーっと苦い感じは割と好きだけどなぁ?『効いてる』って感じするじゃない」
「効いている感は同意するけど、私はあんまり苦いの好きじゃないなー」
「そっかー、じゃあとりあえず味をどうにかしてみるー?」
「とりあえず味かなぁ・・・」
「となると、うちで考えられそうなのは薬草を使った料理とかー?」
「シロップ漬けとかも良さそうだよね」
「だったらジャムにして、パンにつけてみるとかはどうかなー?」
「いっそ、パンに練り込んでみる?」
ミラと話しているのは本当に楽しい。
どんどんアイディアが出てくる。
私たちはそれらをまとめ、試行錯誤することになった。




