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薬草少女は今日も世界を廻す  作者: るなどる
第3節
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37.魔獣討伐準備

「必要な材料と手順はこんな感じです」

「うーん、本当にこんなので大丈夫なのかい?」

「温度管理は適当、精油の過程も無し。これでポーションが作れると思っていたなんて、ちょっとアレですね」


 対魔獣用の薬の説明をみんなにしたところ、当然のような反応が返ってきた。

 まあ、元がポーションの失敗作なので手順も材料もそれほど難しくない。

 問題は、これをどういう風に扱うかだよね。


「直接相手にぶつけれれば一番効果は高いと思うんだけど、素早いみたいだし当てられるか自信ないなぁ」

「つまり、トラップを仕掛けるということかな?」

「そうですね。でも、町の外には出られないので町の中、それも城門付近に設置するのが前提になりますね」

「まあそうなるか。だったら城門近くに壁を作って止まるように仕向けるか」

「使えそうな資材ってありますか?」

「ここをどこだと思っている?ここは木の町ウッドストックだぞ。柵のほうはこっちで全部やるから二人はアレの準備をお願いするよ。エリス、必要な物があったら出してやってくれ」

「はい、かしこまりました。いってらっしゃいませ」


 ブレンダさんは一足先に部屋から出て行ってしまった。

 さて、こっちも準備しないと。


「とりあえず、アレを作るための大釜と火が必要だね」

「それでしたら、使っていない炊き出し用の大釜があります。ですが今、運べる人がいませんね」

「それなら冒険者の人たちにお願いしたらどうかな?」

「そうですね。ならミリーにでもお願いしようかしら」

「ミリー?」

「ええ、ここに住込みで働いている子です。今朝、カウンターを代わってもらったこのくらいの背丈の子ですね。ちょっと伝えてくるので少し待っててください」


 エリスさんが出て行ったのを確認してからミラと小声で話す。


「そっかー、今朝の子ってここで働いているんだね」

「うん、なんか可愛かったよね~」

「小さい子でも働いている子っているみたいだけど、あの子もそうなのかな?」

「うーん、どうだろう~?それに働いている子ってほとんどが親とか親戚の居ない子だよね~」


 まさか魔獣に・・・と思ったが、住込みなら魔獣の出る前だろうしそれは無いか。


「お待たせしました」

「外は危険な状態ですけど、あんな小さい子をお使いに行かせて大丈夫なんですか?」

「ええ、あの子は今年で16歳ですし、リアさんよりはしっかりしていると思いますよ」

「私よりしっかりって・・・えーーーーっ?!私たちと同じ歳?!」

「わ~、私たちと一緒だね~」

「はい。ですからここにいる間だけでも仲良くしてもらえると助かります」


 10歳くらいだと思っていたのに、まさかの同い年!

 人は見た目だけでは分からないものだなぁ。


「何を考えていたか察しは付きますが、あの子の両親はこの町の人で両人ともご健在なので、何も気に掛けることはありませんよ」

「そ、そうですか」

「で、他に用意しておくものはありますか?」

「うーん、うまく罠にかけられるかまだちょっと心配なんだよねー」

「だったら、小瓶か何かに詰めておいて投げつけられるようにするとか~?」

「そうだね、それも一応用意しておこう。あと、逃げたり暴れられても困るから捕獲用の丈夫な網なんかもあるといいかも」

「それで全部ですか?」

「はい、今思いつく限りは全部ですね。本当はもっとちゃんとした準備が出来るといいんですけど、材料を集めたり作ったりする時間は無さそうですし」

「そうですか。では今言ったものはこちらで準備しておきます。作戦の決行場所は町の北門ですので、先に向かっていてください」

「はい、では一足先に行って準備しておきます」


 私たちが町に入ってきたのは西側だから、ギルド前の通りを中央噴水に向かって真っ直ぐ進めば北門に行けるはずだ。


 さて、魔獣を迎え撃つための準備は整えた。

 あとは思っている通りにいけば全て解決!

 昨日の夜は先手を取られたけども、今度はこっちの番だよ!

 さあ、戦闘開始だ!


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