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薬草少女は今日も世界を廻す  作者: るなどる
第3節
29/159

24.商人ギルド

「失礼します」


 ギルドの中に入ると、テーブルを囲んで商談らしき事をしている人や、書類を書いている人が数名いる。

 カウンターに受付らしき人がいるから、ちょっと聞いてみよう。


「えーと、すみません。今日はギルドに加入する手続きに来たのですが」

「ギルドに加入ですか?面会のご予約か紹介状はお持ちでしょうか?」

「ええと、この仮許可証でいいですか?」

「この印は領主様のですね。今ギルド長に伝えてきますので少々お待ちください」


 そう言うと受付の女性は後ろのドアの中に消えた。


「ギルド長ってどんな人だろうね?」

「うーん、会ってみないと分からないね~」

「髭もじゃの怖いおじさんとかだったら嫌だなぁ」

「案外優しい人かも~?」


 ドアが開いて受付の女性が戻ってきた。


「そちらの階段の上の部屋でお掛けになってお待ちください」

「はい、ありがとうございます」


 言われた通り受付カウンター横にある階段を上がる。

 部屋の中にはテーブルが一つに椅子が4つ、あとは綺麗に整頓された本棚があるくらいだ。


「じゃあ、座ろうか」


 そう言って適当に奥の椅子に手を掛けた。

 

「リア、待って」

「ん、ミラどうかしたの?」

「そこはダメだよ~?」

「どうして?」

「そういう奥の所は偉い人が座る場所なんだよ~」

「ふーん、そうなんだー」

「座るならこっちだよ~」


 ミラに言われるまま座席に座る。

 これも商人の心得とかなのかな?

 座ったのを見計らったように奥のドアが開く。


「とりあえず、ギリギリ合格かなってところかな。そっちの嬢ちゃんに感謝した方がいいよ」


 うわぁ、すごい綺麗な人。それにちょっと凛々しくてカッコイイ感じだ。

 でも、ギリギリ合格って何のことだろう?

 横でミラが椅子から立ち上がる。

 私も慌てて同じように立つ。


「本日は忙しい中、ありがとうございます」

「あ、ありがとうございます」


 とりあえずよく分からないけど、ミラに合わせておこう。


「いやいいよ、座っててくれ」

「はい、では失礼します、()()()()


 ・・・え、ギルド長?

 ギルド長って女の人だったの?!


「はは、そっちの嬢ちゃんはちょっと鈍い子みたいだな。顔に書いてあるよ」

「えぇっ?!」


 あぅぅ、完全に読まれてる。

 なんかこういうの前にもあったような・・・


「紹介が遅れました、メディア村から来ましたミラと申します」

「あ、えーと、同じくメディア村から来たアメリアと申しますです」

「ちょっと緊張しすぎだな。商人には冷静さも必要だよ?」

「す、すみません!」

「あー、謝らなくてもいい。アタシはギルド長のブレンダだ。あとアタシは髭もじゃのおっさんじゃないよ」

「・・え?」


 カウンターの会話もバッチリ聞かれてる?!


「儲け話も悪口も誰かがこっそり聞いているかもしれない。だから迂闊に声に出すもんじゃないよ?」

「う、以後気を付けます」

「はは、素直な子は好きだよ!」


 なんというか、この人ちょっと苦手だなぁ。

 ギルド長だけあって、全然隙っぽいのが無いよ~。


「まあ、あんたらの事は大体使いの者から聞いているよ」


 あれ・・屋敷に使いの人って来てたかなぁ?


「領主様から聞いていると思うが、これから二人には適性試験を受けてもらう。まずは筆記からだ」

「筆記・・ですか?」

「なに、難しいことは無い。思った通りに書いてくれればいい」


 えーーーーーーーーっ!

 来て早々、筆記なんて聞いてないよ?!

 薬屋の仕事の手伝いをやっていたから、多少の計算と読み書きは出来るけど、それ以外の問題が出たら答えられないよ?!

 これってピンチじゃない?!


 くぅ、こうなったらやれるだけやるっきゃないよね!


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