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薬草少女は今日も世界を廻す  作者: るなどる
第3節
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23.初めての町ウッドストックへ

「短い間ですがお世話になりました」

「長い道のりになると思うが、気を付けて行ってこい」

「はい、行ってきます!」

「行ってきま~す」


 領主様から書類を受け取り、次の町へと向かうために街道に戻っている。

 なんでも街道には、魔獣の嫌がる魔法が掛けられているらしい。

 無理に危険を冒して草原を突っ切る必要は無い。

 でも、珍しい薬草とか生えていたらちょっと自信無いけど・・・


「短い間だったけど、楽しかったね~」

「うん、帰ってきたらまた会いに行こうね」

「とりあえず街道に着いたから、地図を見てみよう~」

「そうだね、ちょっと確認してみようか」


 領主様から貰ったものは、次の町までの地図・仮行商許可証、それに旅の資金も少し出してくれた。

 なんでも、過去の戦争で地図を敵国に横流しした人がいて、大変なことにってしまったらしく、関所間でしか所有が認められていないらしい。

 当然、紛失したり不当に所持・写しを作って持っていたら極刑は免れない。

 大陸の地図ともなれば、国以外に所持している人はいないらしい。

 って、これはミラの受け売りなんだけどね。

 そして仮行商許可証、つまり私たちの今の身分は”冒険者”ではなく”行商人”ということになる。

 行商人の組合ギルドは次の町にある。

 そこで改めて私たちは”行商人”として登録されることになる。

 その際にまた適性試験なるものがあるという。

 うう、また試験かぁ~。


「うん、このまま順調にいけばお昼くらいで到着できそうだよ」

「じゃあ天気もいいし、のんびり行こうか~」

「そうだね、おしゃべりしながら歩こうか」


 街道は綺麗に整備されていてとても歩きやすい。

 草原の中には白や黄色の花が咲いている。

 たまに原っぱの草陰がガサガサと動き、小さな魔獣が顔を出すもこちらに向かってくる様子もない。

 あ、冒険者が魔獣に向かって行った。

 冒険者は魔獣に向かって棍棒をぶんぶんと振り回しているようだが当たっている様子は無い。

 あー残念、逃げられちゃったー。


「駆け出しの冒険者さんだね~」

「そうみたいだね」

「私たちが次に行く町を拠点にしてるのかな~?」

「そうじゃないかな。多分もうすぐ見えてくるはずだけど」

「あ、建物はっけ~ん!」

「私も見えた。あれが次の町のウッドストックだね」


 大きさはうちの村と比べて倍以上ありそう。

 町は木製の柵で覆われていて、先端が尖っている。

 あの扉っぽいものが関所かな?

 扉の向こうに見える建物も木製の物が多いみたいだ。

 私もミラも自分の村以外には行ったことが無い。

 というのも、一番近くの町がここウッドストックだからだ。

 今日は領主様の屋敷から来たから半日くらいで来れたけども、村からなら朝出て夕方着くくらいの距離があるからだ。

 なので村に無いものは、たまに来る行商の人から買うか町に用事のある人にお願いするのが普通だ。


「結構大きな町だね!」

「うん、おっきいね~」

「そろそろ関所だから、地図と許可証出しておかないとね」


 近くで見ると門も結構な大きさがある。

 私たち二人が肩車してもまだ余裕がありそうなほど高い。

 門の中にはちょっといかつい感じのおじさんの門番が二人。


「待て、通行許可証はお持ちか?あと、地図を持っているなら一緒に出してくれ」

「はい、ここに」

「では、書類を(あらた)めるのでしばしお待ちを」


 そう言って門番の一人が書類の中身を確認する。


「なるほど、レスター様の紹介か。書類にも不備は無い、大丈夫だ通っていいぞ」

「あのすいません、商人ギルドはどの辺りにありますか?」

「なんだ、この町は初めてかい?ギルドは町の真ん中の噴水のあるところから右に折れたところだよ。鞄のマークの看板が下がっている建物がそうだ」

「ありがとうございます」


 町の中は木のいい香りが漂っている。

 なんだか森の中にいるみたいで気持ちがいいな。

 町の中にいる人たちも笑顔が溢れている。

 きっといい町なんだな。

 噴水の辺りにさし掛かった時、風に乗っていい香りが流れてきた。

 ギルドと反対側、左側の方かな?


「ん~~、いい香りだね~」

「だねー、ギルドに行く前にちょっと寄ってみたいね」

「それはダメだよー?行くならギルドに行ってからね~」

「あはは、冗談だよー。それに泊まるところも抑えておかないとだし」

「うん、野宿は勘弁だからね~」

「で、ここが商人ギルドみたいね」

「うん、ちゃんと鞄のマークの看板が掛かっているね~」

「えーと・・いきなり怖い人とか出てこないよね?」

「ん~、そこは保証できないよ~?」

「まあ、なるようにしかならないか!」


 さあ、初めての町で新しい一歩だ!


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