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薬草少女は今日も世界を廻す  作者: るなどる
第2節
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19.領主様の課題 その8

「うん、これだけ集まれば大丈夫だね」

「いっぱいあって良かったね~」


 目的の物を手に入れて屋敷に戻った時には、もう夕方になっていた。

 罠を作るにしても、あのネバネバを煮詰めなくてはいけない。

 ポーション作りの二の舞にしたくないので、翌日に屋敷近くの草原で作業することにした。

 この後は、図鑑の記入と罠作りの為の下準備くらいだ。


「ねえ、バルーンフラワーの中身は使わないんだよね?」

「うん、使う予定は無いよー」

「だったら、料理用に貰ってもいいかな~?」

「じゃあ、先に中身だけ取り出しておくね」

「わかった~。夕食作ってくるから、後で取りに行くね~」

「了解」


 バルーンフラワーはその名前の通り、膨らんだ花とその中に食用の丸い赤い果実が入っている。

 そのまま食べてもあまり美味しいものではない。

 小さい頃に一度だけ生のまま食べようとしたら、すっごいえぐくて吐き出してしまった。

 あれを最初に食べようとした人は本当に勇者だと思う。

 それでも、煮詰めてジャムに、お酒に入れて果実酒に、乾燥させて保存食にしたりと生活に深く関係している食べ物であることには間違いない。


 結構な量があったものの、夕飯が出来上がる頃には全部分別し終えることができた。

 今日の夕飯は、魔獣の骨髄から取った少し濃厚なスープに肉と野菜が入ったものだった。

 薬草で臭みを抑えつつ、野菜の旨味と絶妙に混じり合ってお腹の底にじんわり染み渡る味わいだ。


 さて、一つ目の課題は何とかなりそうだから、もう一つの課題も考えないと。

 今日のうちにミラと話しておこう。

 夕食後の片付けを終えた後、私の部屋で話し合いをすることにした。


「ということで、もう一つの課題の方も考えておきたいんだ」

「何か考えはあるの~?」

「うーん、あんまり自信ないんだけど」

「とりあえず、聞いてみたいな~」

「薬草って、世界中にあるけど、取れる時期や場所が限定されているものって多いんだよね。だから、そういうものを別の地域に持っていったらいい値段で買い取ってもらえるんじゃないかなって」

「それって、薬草を交易品として売り歩くってこと~?」

「うん、そんな感じ」

「いいと思うよ~」

「問題は、”交易品として価値のある薬草”は何かっていうところなんだよねー・・・」

「そうだね~、他の町の市場を見てみないと分からないね~」

「うーん、こういうことに詳しい人がいればいいんだけど」

「ここの領地内なら、領主様に聞けばわかりそうだけどね~」

「うん、今日はもう遅いし明日にでも領主様に聞いてみよう」

「じゃあ、今日はここまでだね~」

「今日はいっぱい歩いたから足がパンパンだよー」

「村の近くまで行って帰ってだから、結構な距離だったね~」

「ということで今日はもう寝よう。おやすみー」

「おやすみ~」


 さて、両方の課題も目星が付いたし、後は色々試してみて結果を出すだけだ。

 まだ7日間もある。

 期間いっぱい使って、いい答えを出さないとね!


 

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