14.領主様の課題 その3
「うーん、このページも違うしー」
バッグから例の分厚い図鑑を取り出し、何か使えそうな薬草が無いか調べている。
そしていくつかの事が分かった。
まず、昨日調べようとしていた能力強化系の薬草について。
基礎能力を高める薬草は存在するが、あくまで長期的に摂取して初めて効果があるというものばかり。
しかもこの付近では入らない上に、かなり高価で取引されているらしい。
時間もお金も掛かりすぎて、現実的ではない。
唯一手に入りそうだったのが、一時的に素早く動けるようになる薬草だった。
しかし問題は、その副作用である。
全身に激痛が走り、しばらく動けなくというものだった。
当然、即却下である。
そして今調べていることは、相手の妨害ができそうな効果のある薬草の種類だ。
薬草には毒や痺れ、幻覚といった副作用を持つものが多い。
また、薬として使用されている薬草の中にも、用法と容量を間違えると人体に深刻な被害をもたらす物がある、ということである。
巻頭に書かれている通り、全ては”薬と毒は表裏一体”という言葉に収束する。
問題は、それらをどう使うかというところだ。
矢に塗るにしても、弓を扱える技術は無い。
剣に塗るにしても、剣術が得意という訳でもない。
要するに、自分自身の技術不足が原因なだけである。
もっとも、それだけ剣や弓に自信があるのなら、この課題自体はクリアしているんだけど。
「リア~?何かいいもの見つかった~?」
「うん、解決の糸口は見つかったんだけどその方法がねぇ・・・」
「ふ~ん、そうなんだ?で、どんなの~?」
「今、書き出しているんだけどこんなところかな」
「ふんふん、なるほど~」
「でね、何かいい方法ってない?」
「んー、何かの武器に塗るっていうのは?」
「それは考えたんだけど、剣や弓みたいなものだと、私じゃ扱えそうになくて」
「それなら、腕力とか技術があまりいらないものだね~」
「軽くて扱いやすいものとかあればいいんだけど」
「うーん、軽くてリアの扱いやすいものか~」
扱える武器が少ないというのは本当に考え物だなぁ。
身軽に動けて、相手より先制を取って動けそうなものってないんだろうか。
あれ、最近何かそんなことなかったっけ?
そう確か、夢の中で何かキラッと光ってヒュッと飛んできて・・・
「・・投げナイフ?」
「ん?何か思いついた~?」
「え?ああ、投げナイフみたいに投げつけられるものがいいなーって思ったんだけど、そんなに大量に持ち歩けるものじゃないし、何より命中させられる自信が無いんだよねー」
「じゃあ~、吹矢にでもしてみる~?」
「吹矢かぁ・・いいかも。ちょっと試してみよう!」
「それだったら、材料集めをしないとね~?」
早速材料の書き出しを始める。
吹矢の芯になる小枝に鳥の羽根に、それを纏める細めの糸。
あとは矢を発射するための筒状の物だね。
それに毒として扱えそうな薬草類も必要かな。
うん、これなら旅先でも補充に困らなそうなものばかりだ。
よし、そうと決まれば外に出て材料集めだ!
領主様に声を掛けてから行こう!




