13.領主様の課題 その2
「体中がが、きしむぅ~~」
次の日の朝、寝起きの開口一番のこれが全てを語っている。
体中が痛い。見事なまでの筋肉痛だ。
「あ~らら~?大丈夫~?」
「あんまし大丈夫じゃない」
昨日一緒に走ったはずのミラはピンピンしている。
基礎体力の差がここまであるのか。
「とりあえず、手を貸すからご飯食べに行こう?」
「うん、ありがとうミラ~」
そのままミラの肩を借りて食堂に向かう。
食堂には先客、領主様がいた。
ミラは食事を運んでくると言って、調理場に向かった。
「やあ、おはよう」
「おはようございます」
「その様子だと昨日は大変だったみたいだね」
「ええ、なんというか・・自分の現状をよく理解しました」
「はっはっは、自分を知るというのはいいことだ。では、そのまま諦めしまうのかね?」
「いいえ、諦めません。今日は別の方法も探してみようと思っています」
「ほほー、何か考えているということかな?では、報告を楽しみにして待つとしよう」
「おまたせ致しました~」
話の切れ目のタイミングを見計らったように、ミラが声を掛ける。
そのまま料理を取り分け、テーブルに並べていく。
目上の人、ここでは領主様が料理に手を付け始めてから私たちも食べ始めるのが礼儀である。
ちなみにユリの前にも何かスープのようなものが提供されていて、大人しく待っている。
ホントに野生にいた子なのかなぁ?
実はどこかのお屋敷で飼われていたとか?
なーんて考えすぎかなぁ。
「うん、いい味のスープだ。これは朝から元気が出る」
「お口にお合いして光栄です。じゃあ私たちも食べよう?」
「そうだね。では、いただきます」
そのまま食事は静かに行われた。
使い慣れない陶器の食器と銀のスプーンにフォーク。
ナイフを使う料理が無いのはミラの気配りのことだろう。
特にこれといった出来事もなく食事が終わる。
「いやぁ、久しぶりに他人の作るご飯を食べた。さすがはレイラさんの子だ。美味しかったよ」
「ありがとうございます」
「うーん幸せー!お母さんの料理も美味しいけど、ミラのは別格だよね~」
「キュ~イッ!」
ユリも綺麗に完食したようだ。
薬草ですら好みがあったのに、好きな物なんてよくわかるなぁ。
「では私は昨日の続きをしてくる。外出するのは自由だが、戻りが遅くなるようなら一言声を掛けてくれ」
「はい、わかりました」
そう言うと領主様は食堂から出て行った。
「さて、私たちも昨日の続きをやらないとね」
「だね~。私は片付けてから行くから、先に行ってて~」
「片付けごめんね。先に部屋に行ってるから後でね」
体の痛みも、起きた後ほどでは無くなっていた。
もしかして、さっきの料理のあの微かな香りって・・・薬草だった?
そっか、あの一件の後も頑張ってたんだな。
よし、私も負けていられない!




