12.領主様の課題 その1
「とは言ったものの、どこから始めていいかさっぱりだよぉ~」
「うーん、順番に解決するしかないんじゃないかなぁ?」
期間が決められているし、時間の掛かりそうなものというと、身を守る術かなぁ。
ミラみたいに護身術でも覚えられたらいいんだけど。
「ねぇ、ミラの護身術教えてくれない?」
「ん~、教えるのは構わないんだけど、リアはあんまり運動得意じゃないよねぇ?」
「うぐ」
確かに運動はあまり得意なほうではない。
では、体力があるほうかと言われると、良くも悪くも人並み程度にしかない。
当然、長旅に耐えられるほどの余裕も無い。
「でも、基礎体力はあったほうがいいから、そこは付きあうよ~?」
「ミラ~、ありがとう~~~~!」
「じゃあ、リアの今の体力とか見ておきたいから外に行こ?」
「わかった、すぐに準備する!」
私たちは冒険者用の動きやすい服装に着替えて屋敷の外に向かった。
「じゃあ、とりあえず屋敷の近くを少し走ろうか~」
「よし、がんばるぞー!」
「では、しゅっぱ~つ!」
走り始めて10分ほどして、自分の体力の無さを改めて痛感する。
「はぁ、はぁ、はぁ、まって、はぁ、はぁ」
「リーアー、まだ10分くらいしか走っていないよ~?」
「ちょ、ストップ!一旦休憩にしよ?!」
「もー、リアってば体力無さすぎだよぉ?」
「ぜーぜー・・そんな・・・はぁはぁ・・こと・・ふぅふぅ・・言っても」
「これはもう、毎日ビシバシいかないとダメダメかなぁ?少し休んだらすぐゴーだよ?」
「そんなぁ~」
ミラの普通に走る速度は、私にとっての全力疾走並みのスピードである。
本気で走られたら、完全にミラから置いてきぼりを食らってしまうだろう。
魔獣や盗賊から逃げようと思ったら、このままではいけない。
折角ミラが付き合ってくれているんだから少しでも頑張らなきゃ。
「うーん、日も暮れてきたし、今日はここまでかなぁ?お疲れさま~」
「もーだめ・・・一歩も動けない」
「むー、このままだとダメそうだねぇ。他の方法も考えてみよう?」
「別の方法かぁ。いっそ能力強化のできる薬草みたいなのがあればいいのになぁ」
「ん?そういう薬草ってないの~?」
そういえば、お母さんから借りた薬草図鑑があったっけ。
まだ全部に目を通したわけじゃない。
もしかしたら何かいいものがあるかも?
「うーん、調べればあるかもしれないけど、とりあえず今日は無理。戻って着替えてすぐ寝たい」
「じゃあ、また明日改めてだね~」
それから部屋に戻ってベットの上に横になった所までは覚えているが、その後の記憶がない。
こうして最初の1日が終わった。




