プロローグ
あなたは、“性同一性障害”というものを知っているだろうか。簡単に説明すれば、見た目は女、心は女という状態のことをいう。そんな、性同一性障害の私と周りのお話。
◇ ◇ ◇
僕、関中 琉生は今日から、高校1年生だ。天気にも恵まれ、友達に元気に挨拶を交わす。春休みにあった事を笑いながら、話す人。今、僕は女物の制服をきちんと着て、ワンポイントの赤いリボンをきれいに付け、髪をゆるふわに下ろす。今日から、地獄でもある学校生活が始まる。ため息をつきながら電車に乗り、歩いて学校へと向かう。後ろから、バタバタと足音をたてながら、走ってこっちに向かってくる。詩芽里だ。今日はいつもより勢いがある。始業式だからだろうか。
バタンッ
「おはよ~!る~!」
「おはよ。しー。」
「なんだか今日はいつもより元気がないけど、どうしたの?」
「地獄の学校生活が始まると思ったらさ…」
「あっ、るーちゃんにとったら、地獄だよね…」
そう、しーちゃんは学校の友達の友達で唯一僕が性同一性障害ということを知っている。話したときはもう、友達をやめよう。っと、言われるんじゃないかとおもっていたけれど、話を信じてくれて、「これからも、ずっと友達でいようね。」って、言ってくれた。そのときは嬉しかった。こんな自分を受け入れてくれたんだから。
「まっ、そんな固い事は言わないで。ほら、学校始まっちゃうから、早く行こ」
「うん!」
こんな自分を認めてくれる友達に恵まれて、僕は幸せ者だ。
こんにちは。巫琴 莉莉です。この作品をつくろうとおもった前(4ヶ月前くらい)に友達に誘われてみたある方について知りました。その人の人生と自分が重なるなと思いました。そして、その人は性同一性障害ということを知り、もしかすると自分も性同一性障害なんじゃないかなという可能性に気づいたのが、この作品をつくるきっかけです。そして、そのことをもとに妄想をひろげることにしました。
実は自分の人生がこの作品みたいになったらいいな~なんておもってます。この話はぜひともみなさんに読んでほしいので、ブックマーク、Twitterのフォロー、リツイートなどなどよろしくお願いします!