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2.大人の事情って何ですか

 えーっと神様(一応”自称”は取りました)が言うには、私は本来死ぬはずではなかったが、神様側のうっかりミスで死んでしまったとのこと。

 

 因みにそのうっかりミスについては、何故か大人の事情ってやつらしく、教えてもらえなかった・・・私の死亡原因なのに何でや。


 そんでもって、体も木っ端みじんというか、一瞬でBangみたいな事らしい。

 てか、ホントに何やらかしたのっっよく魂無事だったな私!

 

 魂の状態だったから、目覚めたのが自分の部屋だったみたい。

 一日の中で一番長い時間居るしね。


 まーそんなこんなーー何故異世界に転生と言う事になったか、その辺の理由も含めーー諸々大人の事情と言うやつで私の異世界行きが決まったらしい。

 ラノベか漫画でしかそんなこと起こりえないと思ってたよ。

 

 でも……そもそも自分の死んだ理由なんて、運命なのかうっかりミスなのかわかんないのもだよね。

 それを、わざわざミスだったと、律儀に謝罪に来てくれるなんてさすがは神様って感じ。

 

 そう言うと、神様は嘘をついたり、また正しい行いをしないと神格が落ちるんだって。

 

 今回、うっかりミスをした神様も謹慎の上、左遷(神格が落ちるため担当範囲が縮小みたいな)らしいです……

 おおぅ、神様の世界も厳しいんですねー

 そんなことをつらつら考えていたらーー


 『さて、お主がこれから向かう世界じゃが、出来るだけこちらの世界の生態系に近いものを選んだゆえ、まずは安心して欲しい。


 ただしそちらの世界ーーアークディアと言うが、そちらでは魔法が発達しておって、こちらの世界のように医療や科学が進んでおらぬ。

 わかっておるとは思うが死に対する概念がこちらの世界に比べ圧倒的に低い。

 今までの様に平穏無事と言う訳にはいかぬぞ』


「はい、わかっております。

科学が進んでいると言っても、戦争などでは逆にそのせいで沢山の命が失われたこともありますし、この世界にもテロ、紛争地域……毎日が死と隣り合わせのところはいくらでもあります。

 平和な日本と言われているこの国でも、交通事故死だけでも年間約4千件はあるんですよ。

 それに……医療が発達していたって、人は死ぬときは死ぬんです……それはもう……あっけなく……」

    



 私の母は私が二十歳になった日に病気でこの世を去ってしまった。


 ーーその日は平日で、大学に行っていた私の下に母が救急搬送されたと連絡があった。

 連絡が早かったおかげで三十分も経たずに病院に駆けつけることが出来た。がーーもう既に母は帰らぬ人となっていた……死因は虚血性心疾患、所謂心筋梗塞だった。


 前日まで普通に元気で、「あんたも二十歳だからやっと一緒にお酒が飲めるねー」なんて笑ってたのに……


 母が亡くなってからもう二十年か・・・日常に悲しみは薄れていったけれど、在りし日を思い出すと

やはり胸が痛むーー




 『そうか、わかっておるなら良い。

  ーーこちらのせいでお主をその様な地に、ましてやお主の(えにし)を断ち切る様な事になってしまったこと、ほんにすまぬ。』


 マネキンみたいな感じなので表情はわからないが、声はこちらを気遣ってくれるような優しいものだ。

 私は零れ落ちそうになった涙を、前髪を直す振りをして誤魔化した。


 気が付くと、先程から全くと言って動かないもう1体(1柱?)の神様(だよね?)から何やら温かい光?空気?の様なものが流れてきた。

 あれ、これは慰めてくれてるのかな……フフちょっと嬉しいかも。

 

 だって全てを司る神様がこんな一個人を気に掛けて下さるなんて・・・嬉しいよ。

 

 神様側のうっかりミスと言っても、あなた様方のせいじゃないし。

 ……死んでしまった事は残念だけれど……母が亡き今、近しい身内ももういないし。  




 私ーー篠田優希(しのだゆうき)四十歳は、この年になっても所謂お一人様だ。


 仕事場でも、若い子にお局だの枯れ女だの喪女だの陰で言われているのは知ってる。ほっとけ。

 一応、若かりし頃には告白なんぞされたこともあったし。(ホントだし)

 全くモテない訳ではなかった、はず。(けっして見栄ではない)


 でも、私・・・男の人苦手なんだよねー男嫌いと言っても過言ではない。


 中高大と女子校で周りにあまり男性がいなかったってのもあるけど、元々母親の影響や嫌なことも多々あって苦手になってしまった。

 

 我が家は、わたしが物心がつく頃にはすでに父親はおらず、母が女手ひとつで育ててくれた。

 とは言っても、父はそこそこお金持ちだったみたいで、慰謝料と養育費はしっかりとふんだく……げふんげふん、えーっと頂いたらしいので、経済的には余裕がありましたが。


 離婚の原因を母に直接聞いたことは無かったが、母とママ友達のお喋りなどから察するに、簡単に言うと父が女にだらしない下半身ダメ男だったってことで。


 何で男の人って、そこそこお金持ってると女にだらしなくなるかねぇ

 だらしなくと言うよりは「自分はモテる」と勘違いかなー

 多少お金を持ってると女性の方からも寄ってくのは分かるんだけどねー(肉食系ハイエナ女子は存在する)


 一人ならまだしも、何人もとか、そりゃあ母でなくとも引くわー


 モテるのはいい男のステータスなんてとんだ勘違いだっての。

 ホントにイイ男はそう言うハニートラップみたいのをさらりと躱せるんじゃないのかねー

 知らんけど。

 

 まぁ、全ての男性がそうだとは言わないけど、私の周りにはそう言う話が多かったよー主に母の知り合い関係。(類友?)


 まぁ、母を含めた女性側の男に対する見解とか偏見とか?さんざん幼少期からそんなの聞かされて育ってきたもんだから、可愛らしくお付き合いとか結婚とかーーもー夢も希望もありませんて。



 後はまぁ・・・小学校の高学年頃から急に胸が発達してきて、男子にからかわれたり、下品な噂話の的にされたり、それ以外にも色々。

 結構、直接嫌な思いもしてきたから余計に男性が苦手になってしまったんだよねー

 それで女子校選んだわけだし。

 TVや雑誌でイケメン見てるのは有りなんだけど。あ、二次元もおkですよはい。


 

 ……だから好きだなぁと思える人もいなかったし。

 もうお一人様街道まっしぐらですよー

 

 それに、先程の通り母も亡くなっているし。

 学生時代や仕事関係の友人はいてもそこまで深い付き合いはしていないし。


 あれ、振り返るとめちゃめちゃ寂しい人生だったんじゃ?!

 あ涙がこぼれそうだわ、グスン・・・

 こ、これは次の人生に期待だよ期待。

 

 そんなんだからこちらで繋いで行くような縁も無いし、死んでしまって違う世界に転生したとしても、まーそれはそれで良いかってね。

 前向きに行きましょーだよ、うん。

 

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