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第2話 夢の声

 『……けて』


 誰――?


 ぼぉーっとした曖昧な意識、誰かの声で起きる。まだ夢か現実かはっきりと定まらぬ中、水の流れに沿うようにゆっくりと体は宙に浮き、運河に流されていく。



 あっ。これ、きっと『夢』だな……。


 不思議な感覚にようやく蕾もこれが『夢』の世界だと認識する。


 『……おね、がい。ここに来て』


 えっ。


 誰かに腕を捕まれ、水の中にと意識を強く引っ張られる――。

 怖くて本当は振り解きたかったが金縛りを受けたかのように体が動かず、そして何より、その苦しそうな声を聞いてしまっては無下には出来なかった。


 沈みゆく闇の海の中……そのまま落ちていくと突然、真っ白な閃光が蕾の体を覆う。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 チュンチュン……!


 「うーん……!」


 小鳥の鳴き声とズキズキと痛む頭痛で目が覚めた蕾。目が覚めると、見たことも来たこともない場所に倒れていた。


 「あれ……?ここどこだろー?」


 『ちゃんと自宅のベットで寝てたはずなのに……』


 辺りを見渡して見ても、草、草、草……。森とはちょっと雰囲気が違って、本当草しかない。まるでこれじゃちょっとしたジャングルに迷いこんでしまったかのようだった。


 『あっ!そっか、これさっきの夢の続きか!』


 ポンっ!と、この明らかに現実味がない場所を見て、手と手を合わせ納得する蕾。

 そうするとこの理解不能な状況に合点がいく。

 頭の中でそう理解したら途端に蕾の中に余裕が生まれ、何処からともなく安心感がやってきた。何故ならこれが夢ならいつかは覚めるからである。

 蕾の口から安堵の溜息が漏れた。


 ぐぅ~……。


 「あっ……」


 安心したら少しお腹が減ってきてしまった蕾。


 『夢の中でもお腹が減るなんて、なんかリアルだな~』


 でも減ってしまったものは仕方ないと蕾は何か食べられるものでもないかと探す。すると、倒れた場所の近くに赤いバックが転がっていた。


 「なんだろ?これ……」


 そう言いながら蕾は赤い斜めがけバックを拾った。

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 本日はこの小説をお読み頂きありがとうございました (*´ω`*) 『評価』『感想』『レビュー』等、頂けると定期的に執筆をする際、大変モチベーションが上がり、作者は踊り狂って喜びます。お時間があればお願いいたします(笑)。
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