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365個の物語  作者: ひなた
卯月 嘘と本当
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卯月五日

  まだ早い 桜の開花で ずれる日を

     君を抱き締め 歩いていきたい


 例年よりも、いくらか早い桜の開花。

 そのせいでデートの日も、いくらか早くなってしまった。

 楽しみにしていたのだから、日が早くなるのは嬉しいのだけれども、まだ心の準備が出来ていない。

 ドキドキが止まらないよ。

 桜が綺麗だねなんて言って、君の方が綺麗だよ、なんて言って。

 本番でそれが言えたならかっこよくない?

 だけどちょっとべたな気もするけど……。

 考えるだけで体が火照ってくる。君と桜並木を歩いていく。

 でも、そのままの僕でいることが、きっと一番だよね。

 僕らしく、君をリードしていこうじゃないか。

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