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卯月二日
同じ色 君のほっぺと 花の色
桜色染まる 恋も同色
綺麗な桜の花を見上げて、僕と君は歩く。
だけど、もちろん桜も綺麗なんだけど、僕にとっては君が何よりも綺麗だから……。
だから、その、上を見るよりも、隣を見てしまいそうになるんだ。
君に変に思われてはいけないし。
「「あっ」」
堪えられず隣を見てしまうと、君もこちらを見ていて、ぴったりと目が合ってしまう。
この照れくささを誤魔化そうとしてくれているのか、美しく飾ろうとしてくれているのか、強く風が吹き桜吹雪に襲われる。
桜の花びらに覆われた君は、ますます美しく見えて、僕は天国へいるような心地だった。
花びらが去ったその後も、君の頬は桜色に飾られたままで、愛らしくて仕方がない。
この可愛らしい桜色こそが、恋の色というものなのだろうか?




