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弥生八日
直ぐ隣 永遠の時 終わる時
入学した頃は、卒業なんて考えなかった。
いや、それどころか、最高学年となった今年の初めだって、卒業なんてことを考えていたものか。
もしかしたら、僕が卒業というものを認識したのは、たった今なのかもしれないな。
毎年、先輩は卒業していくけれど、僕たちの番なんて来ないと思っていた。気が付いたら、先輩がだれもいなくなっていて、自分たちが去り行く先輩側に立っているだなんて、思いもしなかった。
卒業。全ての終わりを告げる、悲しい音。
今までに聞いたことのないほどに、寂しげに響くチャイムの音。
こんなにも近くに来ていただなんて。こんなにも近付くまで、気付いていなかっただなんて……。
卒業式で泣いたりするかと思っていたが、学校に来なくて良いだなんて嬉しいと思っていたが、卒業と言うのは実際に控えていると、寂しいものなのであるね。
一緒にいることが当たり前だった、こいつらがいなくなるなんて、考えられない。
大切と思っていないものが大切なのだとは、こういうことなのかな。




