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365個の物語  作者: ひなた
如月 チョコレートは恋の味
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如月十六日

  チョコレート 食べてなくなる ものだけど

       歓び嬉しさ 永久保存


 チョコレートは、食べたらなくなってしまう。

 とはいえ、食べなかったら、もう食べることもできなくなってしまうのだから、食べるしかない。

 ずっとそのまま取っておくことができれば良いのに、食べ物であるからには、それは叶わないのだ……。

 しかし、彼女からチョコレートをもらったという、この嬉しさは、チョコレートがなくなったからといって、失われるものではない。

 むしろ僕がチョコレートを食べたことにより、僕の中に更なる歓びが沁み亘っていくようだった。

 この気持ちは、いつまでもなくなったりしない。永遠に僕の中に留まり続け、僕を幸せな心地にさせ、僕に夢を見せるんだろう。

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