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365個の物語  作者: ひなた
如月 君の素直なところが見たくて
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40/365

如月九日

  肉の日さ 肉を頬張る 笑顔かな


「ねえねえ、今日は何の日だか、わかる?」

 これが、女子特有の、今日何の日クイズだというのだろうか。

 彼女からこのクイズを出されたのは初めての経験で、僕はひどく狼狽えてしまう。

「正解は、肉の日でしたーっ! ということで、一緒にお肉を食べに行きましょ」

 あれ、女子の今日何の日クイズって、記念日とかを言うんじゃなかったっけ?

 二月九日。語呂合わせで、肉の日。彼女が言っている肉の日というのは、それで良いのだろうか。

 それとも、偶然僕が二月九日に「この味が好きだ」と言ったとかで、二月九日はお肉記念日になっているとか、彼女の中でそういったことがあるのだろうか。

 いやまさか、そんなことがあるとは思えない。

 そもそも彼女は好んで肉を食べるが、僕は好きで肉を食べたりしない。

 嫌いというわけでもないのだが、あまりに彼女が美味しそうに食べるものだから、肉はほとんど彼女にあげてしまう。

 ならやはり語呂合わせでの肉の日だろうか。

 女子力を感じられない、そんなところが、彼女らしいと言えば彼女らしいのだろう。

「良いよ。それじゃあ、どこへ行きたい? 肉と言ってもいろいろあるだろう、何が食べたいんだい?」

「焼肉とハンバーグとから揚げよ。朝食昼食夕食夜食、ほら、これだけあれば全部食べ尽くせるじゃないの」

「一日は三食になさい。夜食なんてしたら、太ってしまうよ。そりゃまあ、太っても可愛いだろうが、僕は君に健康を害するようなことをしてほしくない。本来ならば、肉よりも野菜を食べてもらいたいくらいだ。けれど君が美味しそうにして肉を食べるものだから、禁止したら可哀想かと思い、許してあげているんだ。けれども、夜食なんてものは許せないね」

 彼女が阿保を炸裂するものだから、僕の口うるさいおばちゃん化が進んでしまったのだが、彼女がちっとも話を聞いていないので、仕方がなく黙る。

 もっと言いたいことはあるのだけれど、本人が聞いていないのだから仕方があるまい。

 こういったところが僕は彼女に甘いのだろう。

 結局、三食とも、彼女の希望通り、肉を食べさせてやった。さすがに理性を保たせて、夜食は禁止を貫いたけれどもね。

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