師走三十日
終わりなら せめてハッピー エンドへと
望みを込めて 道を探して
どうしたらば、みんなが幸せに終われるのでしょうか。
人の生など実に短いものですし、それならば、できるだけみんなを幸せに、みんなで幸せになりたいではありませんか。
こう考える私は、おかしいのでしょうかね。間違っているのでしょうか、ね。
一人の孤独を癒してくれた、大切な友人でしたから。
家に引き籠ったままの私には、数少ない出会いの中でできた、大切な友人でしたから。
それを相手が望んでいるのだとしても、ひどい言葉をぶつけて、それきり会えなくなるだなんて、寂しいに決まっているではありませんか。
私にはとてもハッピーエンドだとは思えません。
私ったら引き留めてしまって、それどころか泊まりまでさせてしまうだなんて、最低な男ですよ。
大切な人への裏切りを繰り返してしまっています。
「モテ男め。男女から迫られているだなんてな」
「変ですね。それで、男の方を選んでしまうだなんて。けれど私にとってはどちらも大切な人なのです。恋人も唯一ですが、友だちも、唯一の存在なんですもの」
苦しめてしまう、悲しませてしまう、辛い思いをさせてしまう。
どうしたって私が彼女を愛せない以上、避けられないことですのに、優しいような何より最低な言葉をぶつけてしまいます。
最後の瞬間を目指して、時間は過ぎていくから、どうにかって願ってしまうのです。
悪足掻きで傷付けてしまっているのに、私は……私は……
「あたし、そこまで想ってもらえているって、それだけで十分だわ。だって友だちだなんて、あたしにとっても唯一無二なんだもの」
泣きそうな顔をして、彼女はこちらを見ていました。
終焉も、別れも、絶対に避けることができないものです。
しかしそれをよりよいものに変えることは、できるのではないかと思ってしまうのです。
彼女に近付くことは、お互いに傷付け合うということ、関係のない、愛しい人までを巻き込んで傷付き合うということになります。
ハッピーエンドは用意されていないのでしょうか。
「そうだ、花、花ですよ。私の家の花を、是非、見にいらして下さい。そうしたらば、同じ花好きとして、花についてを語り合う、そんな距離も保てるはずです。そして花の咲かない冬には、私の家にずっといて、それで、花の咲かない寂しさや寒さを埋め合えばいいのです。私の最大のわがまま、これが、最低最悪な私の……ひどい言葉です」
「ええ、あんまりね。このまま別れたら、あたしの願いどおり、ひどい言葉で終わったことになる。だけど一緒にいたらば、誘われたという、喜びが残るというわけね。どこまでも卑怯だわ」
何も言って来ないということは、彼は私のわがままを許しているのでしょう。
「まだ少し考えたいから、あと一日、待ってもらえるかしら。明日まで、一緒にいたいわ。来年が訪れてしまう前には、絶対に答えを出せるようにするから、それまで、待ってもらいたいの……」
彼女も、そう笑って下さっていました。




