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365個の物語  作者: ひなた
師走 幸せに包まれたまま、終わっていけるのなら、それは幸せな一年だったと言えるのでしょう。
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師走二十六日

  北風が 二人の間 吹き抜けて

   髪を梳いては 心夢むか


 美しい月を見ていると、思い出してしまいます。

 貴方と一緒にいる幸せな時間が、そう長くは続かないように思えて、勝手に寂しくなって、私が泣きそうになっていた秋の日の月の夜です。

 私のことを、貴方はかぐや姫だなどと仰ったのですよね。

「ねえ、私は綺麗ですか?」

 面倒だってわかっていても、そう訊ねてしまっていて、クスッと貴方に笑われてしまいました。

「何よりも綺麗だぞ。ただ、その言葉だと、まるで口裂け女だな」

 かぐや姫から口裂け女とは、随分なことです。

 それもまたその通りのことだったので、私も笑ってしまいましたけどね。


 それにしても、今年の冬は、ちっとも辛くありませんね。

 去年の冬が信じられないほどに、優しく暖かな冬です。

 まさか冬の日に対して、暖かというときが来るとは思いませんでした。

 貴方とくっ付いていられるんですもの。

 当然と言えば、当然のことなのかもしれませんね。


 貴方と一緒にいられるのなら、どのような時間だって幸せな時間です。

 貴方と一緒に見られるのなら、そのような景色だって絶景です。

 貴方さえいて下さったなら、私の世界はどうしたって美しく輝くことになってしまうのです。

 春も夏も秋も冬も、どのようなものも、関係がないのかもしれませんね。

 何があろうとも、私が愛するのは貴方だけ、私が大切に想うのは貴方だけ、私が求めるのは貴方だけ。

 これは覆ることのないことなのですから。


 クリスマス、つまり昨日のこと。

 私だけのサンタから、素敵なプレゼントを頂きました。

 望むことさえ許されないような、永遠というものを誓い合う、証のようなものでした。

 言わば、結婚指輪というものですね。

 寝耳に水でしたから、驚くのも仕方がないとうものです。

 自分だけ大人みたいな顔をして、けれどやっぱり、私だって所詮は同じことなのですか。

 貴方といると、理性というものを持たない、獣に自身を乗っ取られることが屡々あるのです。

 こんな私はおかしいのでしょうか。


「あの、結局、曼殊沙華はどうなったのでしたっけ?」

 年も終わりますから、今年のことを想い返していまして、ふと気になったので尋ねてみました。

 一瞬だけ戸惑い表情を浮かべましたが、貴方も思い出したようで、首を傾げられました。

「どうだったかな。今、確認してみようにも、たぶんもう枯れちゃってるよな」

 忘れていたから、ずっと気になってならなかったと言うほどではありませんが、謎が謎のまま終わってしまいましたね。

 謎解きの正解発表は、行われないというのですから困ります。

 来年まで謎を持ち越したくなどないのですけれど。

 まあ、偶然思い出したという程度ですから、年明けには忘れているでしょうが。


 それに、貴方のかっこよさを再確認できましたから、私にとってはそれだけで満足だったのです。

 何度も言うように、私にとっては貴方だけが全てなのですから。

「おい、突然、何をするんだよ」

 近くにあった指に、そっと指を絡めてみたら、驚いた顔をなさいました。

 肩を寄せ合う幸せも、指を絡め合う幸せも、私たちだからわかることです。

「愛しています」

「何を言い出す。私はもっと愛している」

 お互いに疑う余地もない、完璧の愛です。

 言葉にしなくても伝わるほどに、愛し合っている、信じ合っているのです。


「へくしゅん!」

 ムードも漂い始めて、このままクリスマスの余韻を楽しめたら。そう思いましたのに、寒さに耐えられなかったのか、私はクシャミをしてしまいました。

 これでは、貴方も萎えてしまいましたかね。

 寒いは寒いですけれど、自分にガッカリです。

「温めてやるから、私の腕の中にいな」

 変わらない貴方の優しさがありますから、こんな私が、なんて不安になるようなこともないのですけれどね。

 ときどき、思ってしまいますよ。不釣り合いなんじゃないかな、って。

 貴方のことは信じていますから、貴方を虜にしている自信はあるのですよ。

 それが罪なのではないか、そう思えてしまうだけです……。


 全て時間が奪い去ってしまいます。時間は無常で、止まることなく、人を傷付け続けるのです。

 その中で足掻くのが、最近は楽しく思えてならないのですよ。

 私を人間らしくするのも、貴方の魔法という奴でしょうか。

「貴方は私にとっては、なんだってできる、魔法使いなのかもしれません」

 いつもは貴方からされてしまいますから、今日は私の方からキスを仕掛けてみました。

 そうしたなら、意味深な笑みで返されたのですから困りものです。

 私にどうしろというのですか(〃ノωノ)

 ご愛読いただき、ありがとうございます。

 ここまでお読みくださっているということは、きっと最後まで読んでくださる方だということで、そう判断してもよろしいのですよね?

 今日は朝に時間を設定して見たわけですが、これは初めての試みですよね?

 僕の記憶が正しければ、初めての試みだと思います。

 一日の始まりにしても終わりにしても、どちらにしたって、夜の間にばかり更新は予約されてきました。

 あっても、遅れた遅れたと、慌てて投稿した夕方のことくらいです。

 朝。初めての時間で、読者が増えたらいいなぁ、なんて。


 もうすぐ完結です。

 どうかみなさま、よろしくお願い致します。

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