師走二十六日
北風が 二人の間 吹き抜けて
髪を梳いては 心夢むか
美しい月を見ていると、思い出してしまいます。
貴方と一緒にいる幸せな時間が、そう長くは続かないように思えて、勝手に寂しくなって、私が泣きそうになっていた秋の日の月の夜です。
私のことを、貴方はかぐや姫だなどと仰ったのですよね。
「ねえ、私は綺麗ですか?」
面倒だってわかっていても、そう訊ねてしまっていて、クスッと貴方に笑われてしまいました。
「何よりも綺麗だぞ。ただ、その言葉だと、まるで口裂け女だな」
かぐや姫から口裂け女とは、随分なことです。
それもまたその通りのことだったので、私も笑ってしまいましたけどね。
それにしても、今年の冬は、ちっとも辛くありませんね。
去年の冬が信じられないほどに、優しく暖かな冬です。
まさか冬の日に対して、暖かというときが来るとは思いませんでした。
貴方とくっ付いていられるんですもの。
当然と言えば、当然のことなのかもしれませんね。
貴方と一緒にいられるのなら、どのような時間だって幸せな時間です。
貴方と一緒に見られるのなら、そのような景色だって絶景です。
貴方さえいて下さったなら、私の世界はどうしたって美しく輝くことになってしまうのです。
春も夏も秋も冬も、どのようなものも、関係がないのかもしれませんね。
何があろうとも、私が愛するのは貴方だけ、私が大切に想うのは貴方だけ、私が求めるのは貴方だけ。
これは覆ることのないことなのですから。
クリスマス、つまり昨日のこと。
私だけのサンタから、素敵なプレゼントを頂きました。
望むことさえ許されないような、永遠というものを誓い合う、証のようなものでした。
言わば、結婚指輪というものですね。
寝耳に水でしたから、驚くのも仕方がないとうものです。
自分だけ大人みたいな顔をして、けれどやっぱり、私だって所詮は同じことなのですか。
貴方といると、理性というものを持たない、獣に自身を乗っ取られることが屡々あるのです。
こんな私はおかしいのでしょうか。
「あの、結局、曼殊沙華はどうなったのでしたっけ?」
年も終わりますから、今年のことを想い返していまして、ふと気になったので尋ねてみました。
一瞬だけ戸惑い表情を浮かべましたが、貴方も思い出したようで、首を傾げられました。
「どうだったかな。今、確認してみようにも、たぶんもう枯れちゃってるよな」
忘れていたから、ずっと気になってならなかったと言うほどではありませんが、謎が謎のまま終わってしまいましたね。
謎解きの正解発表は、行われないというのですから困ります。
来年まで謎を持ち越したくなどないのですけれど。
まあ、偶然思い出したという程度ですから、年明けには忘れているでしょうが。
それに、貴方のかっこよさを再確認できましたから、私にとってはそれだけで満足だったのです。
何度も言うように、私にとっては貴方だけが全てなのですから。
「おい、突然、何をするんだよ」
近くにあった指に、そっと指を絡めてみたら、驚いた顔をなさいました。
肩を寄せ合う幸せも、指を絡め合う幸せも、私たちだからわかることです。
「愛しています」
「何を言い出す。私はもっと愛している」
お互いに疑う余地もない、完璧の愛です。
言葉にしなくても伝わるほどに、愛し合っている、信じ合っているのです。
「へくしゅん!」
ムードも漂い始めて、このままクリスマスの余韻を楽しめたら。そう思いましたのに、寒さに耐えられなかったのか、私はクシャミをしてしまいました。
これでは、貴方も萎えてしまいましたかね。
寒いは寒いですけれど、自分にガッカリです。
「温めてやるから、私の腕の中にいな」
変わらない貴方の優しさがありますから、こんな私が、なんて不安になるようなこともないのですけれどね。
ときどき、思ってしまいますよ。不釣り合いなんじゃないかな、って。
貴方のことは信じていますから、貴方を虜にしている自信はあるのですよ。
それが罪なのではないか、そう思えてしまうだけです……。
全て時間が奪い去ってしまいます。時間は無常で、止まることなく、人を傷付け続けるのです。
その中で足掻くのが、最近は楽しく思えてならないのですよ。
私を人間らしくするのも、貴方の魔法という奴でしょうか。
「貴方は私にとっては、なんだってできる、魔法使いなのかもしれません」
いつもは貴方からされてしまいますから、今日は私の方からキスを仕掛けてみました。
そうしたなら、意味深な笑みで返されたのですから困りものです。
私にどうしろというのですか(〃ノωノ)
ご愛読いただき、ありがとうございます。
ここまでお読みくださっているということは、きっと最後まで読んでくださる方だということで、そう判断してもよろしいのですよね?
今日は朝に時間を設定して見たわけですが、これは初めての試みですよね?
僕の記憶が正しければ、初めての試みだと思います。
一日の始まりにしても終わりにしても、どちらにしたって、夜の間にばかり更新は予約されてきました。
あっても、遅れた遅れたと、慌てて投稿した夕方のことくらいです。
朝。初めての時間で、読者が増えたらいいなぁ、なんて。
もうすぐ完結です。
どうかみなさま、よろしくお願い致します。




