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師走四日
駈け出せば すぐ傍にある ゴールなら
歩きたいとも 想えぬものか
ここで走り出してしまったなら、すぐにでも、ゴールへと辿り着いてしまうに決まっている。
なのだから、心地好いこの関係性を終わらせてしまわないために、わざとゴールを遠ざけるという道もある。
遠回りという道もあるのだ。
ゴールが遠ければ、この辛い道筋を早く終わらせてしまいたいと、すぐにでも駈け出すに決まっているのに。
だのにどうしてなのだろうな。
いざ、ゴールが近くへ来てしまうと、どうにもゴールを遠ざけようとしてしまうものだ。
歩いてしまいたい。
どうせもう辛いのに、無理して走る必要などない。どうせもうゴールだけを夢見ていた僕ではないのだから、無理をして走る必要などない。
だのに、だのにどうして、歩いてしまいたいとも思えないのだろう。
歩いてしまって、道程に想いを馳せることもできないのだろうか。




