霜月十八日
木が枯れて 季節も枯れて 人通り
かれてかれゆき 彼の来ぬまま
全部、全部、真っ暗みたいなの。
真っ白で、真っ白だから、真っ暗なの。
あたしにだって意味はわかんないけど、この白さって言うのが、あたしには暗さに見えちゃうの。そんなのって変よね、あたし。
葉っぱが落ちて、木が枯れちゃったみたいに寂しい様子で。
それと、木が枯れてるみたいなこの様子って、季節自体が枯れているように見えてならないんだわ。
人通りもすっかり離れちゃって、最初っからあたしはお花だけが好きだったのだから、そんなのって関係ないはずなのに、寂しく思えてしまうのよ。
こんなふうになっちゃったの、あたし、嬉しいような嬉しくないような、複雑な気持ちなの。
寂しいって思えるのは嬉しいんだけど、寂しくなるのはやっぱり嫌だわ。
辛いばっかしだったら、前みたいに、ずっとお花だけを見ていた方がよっぽどましね。
お花は確かに、この季節になればもうほとんど咲いてなかったけど、だけどね、だけどそれでも、あたしはこんな気持ちにはならなかったもの。
それは、春になったら、また咲いてくれるってわかってたからかしら。
冬の間だけって思ったら、寂しさも刹那のものだったわ。
ねぇ。この終わりの見えない気持ち、どれだけ抱え続けていないといけないのかしら?
ねぇ。あたしはあたしが間違えたとは思わないから、どこから間違えていたのかなんて、間違ったって聞きたくないの。
ねぇ。お花も人もいなくなって、寂しくかれたこの場所で、アタシは一人で冬を過ごさなくちゃいけないの?
彼があたしのところに来ることはない。
つまりは、彼に会うこともできないままで……。




