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365個の物語  作者: ひなた
霜月 これできっと終わりだから……
322/365

霜月十八日

  木が枯れて 季節も枯れて 人通り

     かれてかれゆき 彼の来ぬまま


 全部、全部、真っ暗みたいなの。

 真っ白で、真っ白だから、真っ暗なの。

 あたしにだって意味はわかんないけど、この白さって言うのが、あたしには暗さに見えちゃうの。そんなのって変よね、あたし。

 葉っぱが落ちて、木が枯れちゃったみたいに寂しい様子で。

 それと、木が枯れてるみたいなこの様子って、季節自体が枯れているように見えてならないんだわ。

 人通りもすっかり離れちゃって、最初っからあたしはお花だけが好きだったのだから、そんなのって関係ないはずなのに、寂しく思えてしまうのよ。

 こんなふうになっちゃったの、あたし、嬉しいような嬉しくないような、複雑な気持ちなの。

 寂しいって思えるのは嬉しいんだけど、寂しくなるのはやっぱり嫌だわ。

 辛いばっかしだったら、前みたいに、ずっとお花だけを見ていた方がよっぽどましね。

 お花は確かに、この季節になればもうほとんど咲いてなかったけど、だけどね、だけどそれでも、あたしはこんな気持ちにはならなかったもの。

 それは、春になったら、また咲いてくれるってわかってたからかしら。

 冬の間だけって思ったら、寂しさも刹那のものだったわ。

 ねぇ。この終わりの見えない気持ち、どれだけ抱え続けていないといけないのかしら?

 ねぇ。あたしはあたしが間違えたとは思わないから、どこから間違えていたのかなんて、間違ったって聞きたくないの。

 ねぇ。お花も人もいなくなって、寂しくかれたこの場所で、アタシは一人で冬を過ごさなくちゃいけないの?

 彼があたしのところに来ることはない。

 つまりは、彼に会うこともできないままで……。

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