表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
365個の物語  作者: ひなた
霜月 これできっと終わりだから……
321/365

霜月十七日

  知らぬまま 過ぎにし日々の 白きかな


 終わってしまう。必ず、終わりは訪れてしまう。

 そのことさえも知らずに、あるいは知っていたけれども意識もせずに、僕はただ日々を過ごしてきた。

 僕がそう言うつもりなら、日々の方とてそうなのだろう。

 残酷にも、日々は足早に過ぎ去ってしまった。

 その間に、何があったかと言えば、それを答えられないのだから、なんとも恐ろしいことであろう。

 どこまでも辛い。いつまでも辛い。辛さが過ぎ去った後だからこそ、残る辛さというものを、今になってやっと知っているようなのであった。

 もう終わりに傾きつつある今だから、思えてしまうのであった。

 あぁ。

 今まで過ごしてきた日々の、なんと意味のなく、なんと記憶にも残っていないかということ。

 今更とは言うものかもしれないけれど、白という色を、もう少しカラフルに彩れないものかと思ってしまう。柄にもなく、そう思う。

 僕だって人並みに憧れはしているのだよ。

 終わりが見えてしまっているのだから、尚更、それとて仕方のないことだろう?

 知らないままに、過ぎてしまった日々は、白かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ