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霜月四日
吹き抜ける 木枯らしひどく 寒けれど
秋の夜長に 我冷やしけれ
頬を掠めて吹き抜けていく風は、もうすっかり冬の北風で、体を凍えさせるようだった。木々は既に寒々しかった。
あぁ。
けれど秋は秋というもの。未だ、秋であるに違いないのだ。
秋の夜長に空を見上げてみれば、冬のような輝きとは違っていて、空気が澄んだ冬に比べて星は劣るとはいうけれど、やはり秋は秋なのだ。
本当に、心が洗われるような心地がする。
こんな日に風に吹かれてみるというのは、なんと気持ちの良いことか。
悩んでいたことも、怒っていたことも、不安なことも、嫌なことも、どれも浄化されていくように思えた。
十一月の初めといえば、私の地域では、初雪がもう過ぎているのも毎年のこと。
それでもやはり秋は秋。
この時期の風に吹かれてみたならば、秋の夜長の過ごしやすさを実感するようなのだった。
寒いはずなのに、どこか温かく、優しいのだ。




