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365個の物語  作者: ひなた
神無月 そして消えて行く。
299/365

神無月二十六日

  何もかも 忘れて冬へ 備えして

    忘れられぬ日の 忘るる夏よ


 冬を待つということは、冬に備えを持つということ。

 しかし次の春を待つために、その栄養を貯めるために、何もかもを消さなければいけないというのは……。記憶までを消して、忘れなければならないというのは。

 忘れられはしない。

 この暖かい日の光を。この暖かい日々を。

 今年だけはどうしてだろう。

 いつもはそれが流れと忘れられていたのに、今年だけはどうしてなのだろう。

「君と出会ってしまったからだろうか?」

 夏の日を、忘れられないのだった……忘れたくないのだった。

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