神無月二十日
温もりを 求めて淡い 夢を見る
幸せな冬 二人きりの冬
「お腹が空いた」
貴方が呟いたので、私は少し悪戯をしてみたくなりました。
「それでは、私のことをお食べになりますか?」
「良いのかっ! 食べさせてくれ。いただきまっす!」
しかしちょっとした悪戯のつもりでしたのに、押し倒されてしまって、驚かずにはいられないではありませんか。
そうしてちゅっと唇を啄まれてしまったのですから、戸惑わずにはいられないというものです。
揶揄ってやろうと思いましたのに、私の方が恥ずかしくなっちゃって……
「お口に合いましたか?」
もう限界で、これ以上は保たないのに続けてしまうくらいだった。
「あぁ、最高の美味だよ」
「寒いですね」
私が呟くと、貴方は悪戯っぽく笑いました。
「それじゃあ温めてやろう。胸に飛び込んでおいで」
「良いのですか? 温めて下さい。熱く蕩けさせて下さい」
仕返しとばかりに、私も彼の悪戯に返しましたら、また押し倒されてしまったのだから困ります。
もう、この人、欲求不満なんですか?
「温かいか?」
「えぇとても、とても、体が奥底から温まってきます」
今年の冬は本当に幸せになれそうです。幸せで、いられそうです。
二人きりで過ごしていられるなんて、二人で温め合えるなんて、最高の季節ですよ。




