291/365
神無月十八日
咲かぬ花 僕の心で 開きけり
これから花が開くことはない。
花は散っていくばかり。むしろ、花が散って葉が散って、何もないまま枯れ木が、茎が、残っているばかり。
残されたばかり。残るばかり。
これこそが人の世というものを、示しているのかもしれない……。
残っていくばかり。残されていくばかり。
冬という季節を前にして、咲かない花が、ひらりと開いた。
ひらりと開いてくれたならと、そう思う僕の気持ちで、華が開いてくれるのか。花が開いてくれる、華が、花が、そんなはずはない。
けれど花が見えたのは、僕の気持ちが気持ちだったから。
あぁ、花は開いたのだろう。




