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365個の物語  作者: ひなた
神無月 散れ、ただ紅く。
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神無月十八日

  咲かぬ花 僕の心で 開きけり


 これから花が開くことはない。

 花は散っていくばかり。むしろ、花が散って葉が散って、何もないまま枯れ木が、茎が、残っているばかり。

 残されたばかり。残るばかり。

 これこそが人の世というものを、示しているのかもしれない……。

 残っていくばかり。残されていくばかり。

 冬という季節を前にして、咲かない花が、ひらりと開いた。

 ひらりと開いてくれたならと、そう思う僕の気持ちで、華が開いてくれるのか。花が開いてくれる、華が、花が、そんなはずはない。

 けれど花が見えたのは、僕の気持ちが気持ちだったから。

 あぁ、花は開いたのだろう。

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