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365個の物語  作者: ひなた
長月 月を見上げて
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長月二十八日

  恋心 暮れる秋の日 冷めゆけば

  苦しむことも 消えゆくものか


 どんどん寒くなって来て、あたしは気付いたの。

 やっぱり冬は好きなんかじゃなくって、あたしは、お花がたくさん咲いている春にしか、生きていけやしないんだわって。

 あたしはお花が好き。お花がなくっちゃ駄目。

 冬も悪くないなんて、間違えてそう思っちゃったけど、恐ろしいほどの恋心に、初めての感情に、ちょっとおかしくなっちゃってただけなんだわ。

 彼のことは好きよ。

 この気持ちに間違えはないわ。そして、これからもきっと変わらないはずよ。

 それはそう。あたしがもう嫌って思ったところで、好きなものは好きなままだわ。

 寒くなっていくのなら、どんどん冷えていくのなら、あたしの気持ちも冷めてしまえばいいのにって。どうしても、そう思ってしまう。

 こんなあたしじゃ、お花にも嫌われちゃうかな。

 だけどお願い。だれか、あたしの気持ちもわかってほしいの。

 大好きって思うのに、その度に性格が悪くなっていくあたしを感じるんだから、恋って変なものよね。

 もしかして、だから漢字が似ているのかしら?

 あたしの中では、恋も変もそう大差ないってことなのかしら?

 それならあたしが恋したことって……。

 何を取ってしても、辛い気持ちは辛いままで、恋なんて辛いだけなんて、絶対に言いたくないのに。

 大好きって気持ちが生む感情は、幸せであるの。それには違いないの。

 ねぇ、あたしって変なのかな。

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