長月十九日
芒揺る 秋風の起こす 暴挙かな
されど気にせず 秋は過ぎゆく
芒をゆらゆらと揺らす、穏やかで心地の良い秋の風。
いつまでも当たっていたいと思う、優しさを持っていながらも、少しずつ僕に寒さというものまでを与えてくる。優しくも冷たい秋の風。
それが、どうだろう。
これも秋らしいと言えば秋らしい、正しい秋の形としてあるものなのかもしれない。
国語として秋を捉えたなら、美しく寂しい秋が訪れてくれることだろう。
しかし理科として秋を捉えたなら、あぁ、わかるとも。秋というのが、どういう季節であるのかが、わかってしまうとも。
まだ夏の暑さが残っているし、もう冬の寒さが押し寄せているし。
台風がよく来るものだから、外で穏やかな気分で、月見夜酒を楽しむなんて、到底できないことである。
むしろ晴れの日を求めているのなら、冬にでも空を見上げたらいい。
月はともかくとして、星が綺麗な季節を選ぶのなら、それは冬に決まっている。
芒を揺らす程度の穏やかな秋風がほしいのだというのに。それなのに、台風が襲って来るだなんて、それはあんまりのことである。
そんな僕の気持ちを弄ぶように、秋は過ぎていく。
秋という季節は、過ぎ去っていってしまう……。




