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長月十七日
伸びた髪 あの日の貴方と の距離かな
貴方が知っている私は、ショートカットだったよね。
ずっと髪は短くしていたから、今の、ロングの私を見たら、きっと貴方は驚くと思うの。だれだかわからないと思うわ。
実はね、貴方がいなくなってしまってから、一度も髪を切っていないのよ。
だから私はすっかり髪が長くなってしまったの。
元々、ショートの方が楽で好きだったんだけど、こうやってしているのも、女の子らしくて良いかなって思って……。それにね、貴方と一緒にいるときの私と、貴方と一緒にいられない私とでは、私は違う人間でいたかったの。
だって貴方といるときには、貴方だけの私でありたいから。
「ははっ、長い髪を梳くのにも、すっかり慣れてしまったわ」
帰って来ない貴方を思い出して、一人、呟くの。
晴れたままの秋の天気は、一向に変わらないままだし、同じ風向きで窓からずっと入って来るわ。
そして私の女心だって、貴方に会えなくなったって、ちっとも変わりやしないのよ?
ちっとも、変わりやしないのよ……?




