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365個の物語  作者: ひなた
文月 楽しい夏休み
210/365

文月二十九日

  腕の蚊を 叩けど叩けど 腕に止む


 なんでやねん! ええ加減にせい!

 倒しても倒しても、無限発生の蚊が腕に止まってくるものだから、叩くのも億劫になってしまう。きりがなさすぎる。

 だからツッコミを入れつつ、楽しく蚊を叩いているのだけれど、どうにもあまりに数が多い。

「なんでやねん!」

 なんでそんなに僕の腕に止まって来るのさ。

「ええ加減にせい!」

 もうしつこいから、いい加減、どこかへ行ってほしいんだけど。

 残念ながら、僕の願いは少しも届かないようだった。

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