睦月二十日
指先は あまりの寒さに 固まって
宿題よりも やっぱストーブ
今日は宿題が多い。
学校から帰ってきて、すぐにでもやらないと終わらない量だ。むしろ、帰ってきてから寝る時間まで、ずっとやり続けていても終わらない量だろう。
こんな馬鹿みたいな量を出すなんて、先生は計算が出来ていないんじゃないかと思う。
しかし出されたからには、きちんと解いて、提出しないわけにもいかない。
仕方がないから僕は、帰宅後筆記用具と宿題を取り出し、勉強机につく。
「ふぅ~」
大きく息を一つはいて、シャーペンを握り締めた。
そして解き始めるのだが、なかなかスムーズに進めることが出来ない。
それは、僕が問題を解けないとか、そういうわけではない。
答えはわかっているから、それを書こうとしているのだけれど、思うように手が動いてくれないのだ。
この寒さのせいだろうか。
まるで指先が凍ってしまったようである。動かそうとしても、滑らかな動きは全く期待出来ない。
諦めずに挑戦し続けるのだけれど、ガクガクと震えた文字や、角だらけになった四角い文字しか書くことが出来なかった。
「一旦、今は諦めるとしよう」
こんな状態では、宿題など勧められたものではない。
僕はストーブのあるリビングへと向かい、凍ってしまった指を融かすことにする。
ドロドロの液体に、それどころか蒸発して気体になってしまうくらいにまで、指が融けたなら、もう一度宿題には挑むことにするかな。
僕はギリギリまで戦ったのだから、これで終わらなかったとしても僕のせいじゃないよね?




