文月十六日
夏祭り 浴衣の裾を 揺らす君
始まる夏の 恋の予感かな
今日は夏祭りと花火大会へ行くのだ。
メンバーは、同じクラスの仲良し六人組。男子が四人で女子が二人だった。
とはいえあくまでも友達なのだから、誰が好きだとか、恋愛のようなものは少しもないし、そういったもので友情を壊すつもりはない。
僕を含めて、それはきっとそうだろう。
集合場所へ集合時間に、それぞれ浴衣で集まっていく。
それで六人で夏祭りを満喫する。
事前に決めていた通り、何もかもが完璧に進んでいる。
僕達の友情は今日、更に深まり、離れることのない素晴らしい友達であり続けるのだ。
だったのに、一つ、想定外のことが起こってしまった。
予定に組み込まれていなかったことが、僕達の完璧な計画の間に入ってしまったのだ。
夜。暗くなってのこと。
これから花火も始まるので、花火を見ようと決めていた場所へ、皆で移動をしていた。
その途中で逸れてしまったのである。
僕は君と二人きりになってしまっていた。
想定外は、想定外の感情を生む。
二人きりで歩いていると、君のことが気になって仕方がなくて、浴衣姿の君に惹かれてしまっていた。
大切な友達なのだから、恋愛感情が芽生えることはない。
恋愛感情を芽生えさせることは、僕達には許されない。最も重い禁忌だ。
それなのに、ドキドキしてしまって……。
夏を楽しいに思う気持ちだと、言い聞かせるのだけれど、どうにもならなくて僕は。
僕は君のことが、なんて。
友達は友達。どこまで行っても友達。
決して、友情と愛情は重ならない。友と恋は正反対。
完璧な関係でいられるのだから、僕の所為で、この友情を壊してしまいたくないよ。
バレたときが終わりのときと、重大な秘密を抱えて、禁忌に縛られながらも僕は微笑んだ。
まだ、この気持ちの良い場所にいたいから。




