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365個の物語  作者: ひなた
文月 夏の日の夢
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文月十一日

  囚われる 夢夜の余韻 げに甘き


 今日はすっかり曇ってしまい、星空を拝むことはできない。

 けれど昨日見上げたあの美しすぎる星空は、そう簡単に忘れられるものでもなく、一日や二日では、まだ脳裏に焼きついたまま離れないのであった。

 それはもう、それ以外は何も考えられない。

 何も考えられないと言うほどに、今もまだ、僕の心を捕らえているのだ。

 こんな甘い気持ちになれるのならば、いっそのこと、これが恋という感情と整理することさえ、できてしまうのかもしれない。

 きっと恋は、こんな気持ちのことをいうのだから。

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