水無月十一日
零れるは 雲の合間の 晴れ間かな
この頃は、梅雨という季節もあってか、気分の優れないことが多かった。
梅雨だから嫌だとか、そいうことではないのだが、この湿気はどうも耐えかねる。とはいえ、冬の感想にも辛いものはあるが。
こう毎日毎日、ジメジメとされては、憂鬱にもなるというものだ。
特別、雨を嫌っているつもりはない。晴れも曇りも雨も、もちろん、他の天気だって、私は平等に好いてもいるし嫌ってもいる。
だから何かがどうしても嫌だという、そういったこともないのだ。
何日も続かれると、嫌になるというそれだけのことであって。
そして雨の降り続く時期であるからこそ、晴れ間がひどくありがたいことのように思えるのだ。
ありがたいというのは、漢字で書けば有難い。古くは、珍しいという意味を持つ言葉だったのだ。
それを考えると、こういうことだったのだろうかと、思わずにはいられない。
晴れの日が続いていれば、珍しく降る雨が、ありがたく感じられる。雨の日が続いていれば、珍しく覗く晴れ間が、ありがたく感じられる。
有難いが感謝に繋がる意味が、こうしているとわかるかもしれない。
傘を閉じて見上げた空に、眩しいほどの太陽があり、そんなことを思っていた。




