156/365
水無月五日
傘の下 俯く瞳 暗闇を
みんな、下を向いている。
みんなが俯いているものだから、とっても、暗い街かのように思える。
雨なのだから、傘をさしているのは、当たり前のことだよ。そりゃまあ、だれだって雨が降っていたら、傘をさすに決まっている。
あえて傘をささないのだとしたら、余程の事情があるんじゃないかな。
でも悲しいのは、傘をさしていると、みんなが俯いて見えるということ。
上を向いても何も見えないのだから、傘の中で上を向きはしないだろうけれど、みんながみんな俯いているというのは、私は悲しいことのように思える。
昼間のはずなのに、雲に覆われた世界は、明かりを知らないように暗い。
夏を前にした、梅雨という暗い季節は、街を絶望へと誘うかのように思えた。
実際はいくら憂鬱そうな顔をしていたって、俯いていたって、だれも絶望まではしていないのだろうけれど。
だけれど私には、そのように思えてならないのであった。




