水無月四日
一人きり 外に出られぬ だれも来ぬ
長く強き雨 暗き枷かな
止む気配のない雨は、今日も変わらず、降り続けていた。
なかなかに雨が降らないというのも、辛いところのあるものだが、ここまで降り続けられると、それはそれで迷惑というものだ。
外出する気にもなれないし、僕がそう思うように、他の人だってそのように感じていることだろう。だから、だれも僕の家を訪れることもないのだ。
必然的に、一人暮らしをしている僕は、一人きりの時間が続くということになる。
自分を寂しがり屋だとは思わないし、一人でいることを苦痛に思いはしないけれど、あまり一人の時間が続いていると、孤独というものを感じるというもの。
雨はまだ止むこともなく、降り続けるつもりなのだろうか?
そうしたら、雨が降っている間は、僕はずっと孤独を感じていなければいけないのだろうか?
天から授かるありがたい雨も、度を過ぎれば感謝を越えて、迷惑へと変わっていく。
この状態では、雨の降り続くことは、僕をこの狭い空間に、この孤独の中に閉じ込める、暗い枷でしかない。
本来ならば一人が得意なはずの人間を、寂しがり屋のように変えてしまうような、人を不安させる暗い枷。




