表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
365個の物語  作者: ひなた
水無月 それでも雨は降り続ける。
155/365

水無月四日

  一人きり 外に出られぬ だれも来ぬ

     長く強き雨 暗き枷かな


 止む気配のない雨は、今日も変わらず、降り続けていた。

 なかなかに雨が降らないというのも、辛いところのあるものだが、ここまで降り続けられると、それはそれで迷惑というものだ。

 外出する気にもなれないし、僕がそう思うように、他の人だってそのように感じていることだろう。だから、だれも僕の家を訪れることもないのだ。

 必然的に、一人暮らしをしている僕は、一人きりの時間が続くということになる。

 自分を寂しがり屋だとは思わないし、一人でいることを苦痛に思いはしないけれど、あまり一人の時間が続いていると、孤独というものを感じるというもの。

 雨はまだ止むこともなく、降り続けるつもりなのだろうか?

 そうしたら、雨が降っている間は、僕はずっと孤独を感じていなければいけないのだろうか?

 天から授かるありがたい雨も、度を過ぎれば感謝を越えて、迷惑へと変わっていく。

 この状態では、雨の降り続くことは、僕をこの狭い空間に、この孤独の中に閉じ込める、暗い枷でしかない。

 本来ならば一人が得意なはずの人間を、寂しがり屋のように変えてしまうような、人を不安させる暗い枷。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ