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365個の物語  作者: ひなた
水無月 それでも雨は降り続ける。
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水無月三日

  しとしとと 落つる雨音 変わらずに

      落ち込む胸も 落ち着きけるかな


 今日の天気を作っているのは、とても真面目で、几帳面な神様なんだろうと思う。

 だって少しも変わることもなく、朝からずっと、雨が降り続けている。強くなることも、弱くなることもなく、一定に。

 一定の音も同じように響き続けている。

 雨の強さが変わらないのだから、音が変わるものでもないだろう。

 あまりに雨が降り続くものだから、最初はとても、気が滅入って仕方がなかった。

 けれども不思議なものだ。一日が過ぎてみれば、そんなことでもなくなっているのだ。

 耳障りになるほどは五月蠅くなくて、どこか温かさまでも覚えるような音。

 だからこそ、少しばかり落ち込んでいた心も、平静を取り戻しつつある。それどころか、普段よりも極めて落ち着いて、冷静な視点から世界を見ることができているとすら思える。

 長く続いていたせいで、慣れてしまったのだろうか。

 鬱陶しいとも思えることのあった雨が、心を落ち着かせるものにまでなっているとは。

 雨。考えるほどに、実は趣のある、素晴らしいものなのかもしれない。

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