皐月三十一日
五月雨の 合間に覗く 五月晴れ
五月蝿く過ぎる 五月の終わり
五月の終わりの梅雨の初め。
降り注ぐしとしととした、大人しい雨。
それは冷たいけれど、冬のような冷たさはない。それは蒸し暑いけれど、夏のような苦しさもない。
憂鬱を齎すけれど、どこか気分と落ち着かせる雨でもあった。
続き始める雨の日に、これから季節が進んで、梅雨へと入っていくのだと知らされる。
きっと次に太陽が照りつける、快晴の日が訪れたとするならば、それはもう夏だということになるのだろう。
なのだけれど、雨が多いからといって、雨しかないというわけではない。
雨の日が多いからといって、毎日が雨でしかないだとか、そういうわけではもちろんないのだ。
降り続く雨の合間に、爽やかな太陽の光が差し込む。
夏のような暑さを持ったそれではなく、春らしさを僅かに帯びる、けれどそれともどこかが違う、この季節特有の爽やかさを持つ晴れであった。
天気が変わると同時に、気温の差も、激しくて困りものである。
忙しなくコロコロと空が表情を変えるうちに、五月蝿いくらいに過ぎていく。
あぁそれこそが、五月というものの終わりを告げるものなのかもしれない。
あぁそれこそが、春というものの儚さを告げるものなのかもしれない。夏という、力強さも。
ちなみにだけど、どの五月もちゃんと読めたよね?




