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365個の物語  作者: ひなた
皐月 パクッてないもん!
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皐月十日

  物言えば 唇紅し 春の風


 春の風が吹くと、みんな、恋しちゃうみたいなの。

 春って恋の季節だというのは、だれでもみんなが感じることだと思うのね。ちなみに私のイメージとしては、夏は愛で、秋は故意、冬は哀かしらね。

 だれかわかってくれる人、いるでしょ? そう特殊なものでもないと思うし、共感できるんじゃないかと思っている。あくまでも自分では、だけど。

 と! に! か! く! とにかくなの!

 恋が始まる爽やかな季節である春の、暖かく優しいこの風は、それこそ恋を届けてくれるものなんじゃないかと思う。

 この風に吹かれてみれば、みんながみんな、美しいものに思えるようじゃないの。

「あっ、あの……」

 勇気を振り絞って、声を出してみる。

 そうしたならきっと、春の訪れを告げたあの風が、恋の訪れも告げようとするように、二人の間を吹き抜けていくんじゃないかと思う。

 頬は可愛らしい桜色。

 精一杯の背伸びしたオシャレ。紅を引いたその唇は、恋の色を広げていく。

 あぁ、私にも来ないかしら、運命の人。待っているのよ、白馬の王子様。

 秋になったら不思議と期待は諦めになる。寒い日にはもう、運命なんて馬鹿らしいと、嘲笑うことだってできたはずなのに。

 それなのにおかしなことだよね。

 春って期待しちゃう。これも温かい春の風のせいなのかな?

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