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365個の物語  作者: ひなた
卯月 花から葉へと↓
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卯月十七日

  刹那的 輝きばかりの 春ならば

    儚い花も 愛し得るかな


 永遠なんて存在しないのは、だれだってもう、わかりきったこと。

 だからこそ生物は儚さを帯び、美しさとともにある。

 四季のあるこの国は、一年のうちに四つものものが、輝き出して消えて行く。

 あまりにも短くて、刹那的に過ぎ去っていく時間。

 どれも美しいのだけれども、輝きはどうしても、儚さを持っているのであった。

 しかし輝きばかりの春の色を、刹那的なそのひとときを、それが良いのだと割り切れたなら――。

 そうしたらば、儚い花も、愛することが出来るのだろうか?

 哀しい気持ちにはならないままで、素直な気持ちで愛せるだろうか?

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