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ROUGE  作者: 布屋 綿一
Jack the Ripper
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第一章

ちょっと短すぎるとおもったので追加!

「まいど」

「ありがとさん・・・よいしょっと」

店で買ったリンゴやパンやら食べ物ががパンパンに入った紙袋を右手に抱えリックは店を出た。

店長に言われた買出しを終え、住み込みで働いている仕事場兼自宅へと向かう。

少し小腹がすいたのでリンゴを袋から取り出しかぶりつく。

歩いている道中たまに周りから変な目で見られることもあるがそれにはもう慣れた。

俺の髪の毛は生まれつき真っ白でよく周りから色々と言われたものだ。

この国の言い伝えらしく、白い髪の毛は悪魔の子とか言われているためひどい扱いを受ける。

年々その風習は薄れているようだが大人になった今でもそれは変わらない。

直接手を出されることはほとんど無いが、ひそひそと悪口を言われたり、離れられたりと周りにあまりいい印象を与えない。

いまではキャスケット帽を被って外を歩いている。

帽子一つでも結構変わるもので髪の毛が隠れるため周りからの嫌なものを見る目は結構減った。


少し歩いていると、先に処刑場が見えてきた。

あまり近くを通りたくは無いが、店へ戻るにはどうしても通らねばならない。

いちいち遠回りはめんどうくさいからだ。

今日はやけに人が処刑場に集まっていた。また誰かが見せしめに殺されたのだろう。

よくあることだ。

処刑場では国に逆らった人や、罪を犯して処刑になった人がそこで殺される。

公開処刑だったり、磔刑だったり色々だ。

それを民に見せてお前達も逆らうとこうなるぞと脅しているのだろう。

今回は磔刑のようだ。

集まっている人たちの頭を超えたところに磔刑用の十字架が見え、そこに人が磔られているからだ。

遠目に見ても惨いことが分かる。

殺された人を眺めるような趣味はリックには無いので足早にその場を後にした。




リックが働いている店は色々なものが置いてあるバスケットという小さな雑貨屋だ。

Basketと書かれた看板が下がっている。

従業員はリックと店長の二人。店長はジュードという名前で、性格は優しく地域の人からも好かれている。

今まで一人でこの店を切り盛りしてきたらしいのだがもう60歳を超えているので一人は厳しく、俺のこともかわいそうだったため雇ったと言っていた。

リックとしては住み込みで雇ってくれるだけでも十分なのに、さらに色々世話も焼いてくれるから感謝しっぱなしだしありがたい。


バスケットにリックが着くと中から警備隊の男が3人出てきた。

二人はいたって普通の警備隊の制服だがもう一人は二人より少し良い服装をしている。

その男の顔にリックは見覚えがあった。

レグルト警備隊隊長『ガレル』。このレグルト地域の警備隊の隊長だ。

剣の腕は高く、また怒らせると何をされるか分からないので住民達からは恐れられあまり悪事は起きない。

大体は詰め所にいるがたまに数人の部下達と辺りを見回っているらしい。

ガレルはリックの姿を見ると少し睨んでさっさと行ってしまった。

いったいなんだと不思議に思いながらもドアを開けて中へ入った。

中へ入ると店長が膨れっ面で頬杖をつきながらカウンターに座っていた。

「ん、いらっしゃ・・・なんだリックか」

「買い出し終わりましたよ、さっきのどうしたんですか?」

ジュードはめんどくさそうなため息を一つ吐いた。

「別になんでもねぇよ、ただの視察だ」

「ふぅん、そうっすか」

なにかありそうな気がするがジュードが聞くなオーラ全快なのでこれ以上聞かないでおくことにした。

買ってきた物を奥に置いてきた後、特にやることも無いので商品の整頓を始める。

この店は混む事はまず無いので忙しくなく暇が多い。まぁ忙しいのも嫌だが。

ちょろちょろ客が来て、対応して、また暇になって、また客が来て、を繰り返すだけだ。

のんきに商品の整頓をしていると客が入ってきた。

「いらっしゃいませ」

「いらっしゃい」

客は結構大柄な男だった。180cmは軽く超えているのではないだろうか。

体つきも良く男らしい感じの人だ。

「すいません、便箋ってあります?」

声も低く男らしい。

「えぇありますよ、リックとってやれ」

ジュードが対応し、リックは言われた通り便箋を持っていった。

いくつか種類があるので5つの便箋を客に見せると、その中でも一番シンプルな便箋を取った。

「じゃあコレもらいますね」

男はそういうとカウンターに50ブロ硬貨を一枚置くとさっさと出て行ってしまった。

「ちょっとお客さん、お釣り・・・って行っちまった」

「あ、俺渡してきます」

リックはそう言うと10ブロ硬貨を3枚握って店を出た。しかしすぐに追いかけたはずなのに男の姿はもうどこにも無かった。

辺りを見渡したが他の通行人がいるだけだ。

「おかしいな、どこいったんだ」

そんなことを呟きつつ見上げた空は綺麗な青空だった。

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