転生
俺は普通の男子高校生だ。彼女もできたことはないし、勉強もスポーツも凄くできる訳でもない。
「あんたって本当に普通よね〜」
「うっせぇ、黙ってろ」
こいつは幼馴染の森川梨花、学校じゃモテモテの超美形だ。その癖に全ての告白を断っている。本人曰く誰とも付き合う気はないらしい。誰でもいいから彼女がほしいと思っている俺とは正反対とも言えるだろう。
「はぁ…彼女ほしー」
「毎回それね。隣に絶世の美女がいるのに、それに満足しないなんて、強欲よ。」
「だってお前とはどうせ付き合えないし、それにお前はあくまで幼馴染、彼女という枠には勝てんよ」
「本人の前でそれ言うって相当クズよ」
俺たちが横断歩道に入った瞬間だった。一台のトラックが来ていることに気づいた。そして様子がおかしい。停止する気配がない。こんな俺だが唯一他者を寄せ付けない才能がある。それは五感が誰よりも優れていると言うことだ。俺の目は捉えていた。トラックの運転手が気絶していることに…
「クソが!」
俺は思いっきり梨花を突き飛ばす。
「キャッ!」
梨花はギリギリ避け切れた。だが梨花を押した俺は…
「ゆ…き?」
周りから悲鳴が聞こえる。梨花は呆然とした顔で俺を見ている。血が流れていく。体温が下がるのを感じる。もう助からない。自分のことだからわかってしまう。梨花は泣き崩れた。
「雪!なんでよ!なんで私なんかを!」
梨花は泣き叫びながら問う。だがそれに答える気力すら俺には残されていなかった。助けた理由、そんなの単純だ…
・・・お前のことが好きだったから・・・
そこで俺の意識は途絶えた。
目を覚ますとそこは見知らぬ天井だった。病院という訳でもない。そもそもとしてアレで生きているわけがない。ベッドから体を起こすと違和感を感じた。体が小さい。手も足もだ。俺は急いで近くにあった鏡で自分の体を確認した。そこには4歳程度の女の子の姿が映っているのだった。
「…は?」




