表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/15

第14話「二度目の発動」

 返還は、一日一本と決めた。




 フジサキが言った。「焦るな。お前の感情値は低い。一本ずつ、丁寧にやれ。返還で補充される感情と、消耗するもののバランスを見ながら」カイも同意した。二百四十七本を一気に返せるとは思っていない。でも——一日一本なら、単純計算で二百四十七日かかる。それだけの時間があるかどうかは、わからない。




 それでも、一日一本から始めた。




 翌日から、フジサキが第七区の地下から第九区の拠点まで来た。ガラス管を一本持ってくる。カイが開放して返還する。持ち主がわかっている場合は呼び寄せる。わからない場合は、フジサキが記録と照合してから次の手を考える。




 三日目に、持ち主がその場で泣いた。




 四十代の男だった。工場で働いていて、三年前に路上で突然能力を抜かれた。何が起きたかわからないまま、能力者登録が失効して、仕事を失って——第十三区に流れてきた男だった。連の情報網で居場所を特定して、来てもらった。カイが返還すると、男の右手から青い光が溢れた。電気系の能力が戻った瞬間、男は膝から崩れて、声を上げて泣いた。




 カイはその様子を見ていた。




 感情が薄い。でも——見ていた。その涙が、どういう重さを持つものかは、感情的には受け取りきれなかった。でも、論理として理解した。三年間、誰かに奪われたものが戻った瞬間の涙だ。




 返還後、カイの感情値は、わずかに上がった気がした。




 アイが測定すると、二十三から二十五になっていた。誤差かもしれない。でも、二だけ上がっていた。




「返すたびに、少しずつ回復する」アイは言った。「フジサキの理論が、機能している」







 分離制御の訓練も続いていた。




 アイが来られる日は一緒に練習した。来られない日は、カイが一人でイメージ訓練をした。感情の層と能力の層を分ける感触を、繰り返し思い出す。ナナセへの返還の時に感じた、逆方向の流れ。あの感触を体に刻んでいく。




 五日目、ソウが「実戦に使えるか試せ」と言った。




 訓練として、ソウがカイに接触させた。ソウから炎の記憶を受け取る時——感情の消耗を最小限に抑える。三日前より、制御の精度が上がっていた。感情値の消耗が、三日前の半分以下になった。




「使えるようになってきた」ソウは言った。




「まだ完全じゃない」カイは言った。「高速で動きながら使うと、集中が切れる。戦闘中に維持できるかどうか、わからない」




「それが次の段階だ」ソウは言った。「動きながら、制御を維持する。二つのことを同時にやる」




「今の段階では無理だ」




「だから訓練する」ソウは言った。いつもと同じ答えだった。







 連が情報を持ってきたのは、六日目の朝だった。




 顔が、いつもより速かった。入ってきてすぐに言った。




「拠点が特定されたかもしれない」




 全員の空気が変わった。




「どこからの情報だ」ソウが立ち上がった。




「第七区のネットワークから。昨夜、この辺りを複数人が歩き回っていたという報告が入った。能力者の気配があった、と目撃者が言っている。数は——四人か五人」




「マーケットか」




「たぶん。CCAなら別の動き方をする」連は言った。「問題は——今夜来る可能性がある。昨夜は下見だとしたら、今夜が本番だ」




「移動するか」カイは言った。




「移動先が準備できていない。フジサキの地下鉄拠点に移れるかもしれないが、今から動けば——移動中に見つかる可能性がある。今夜はここで対応する方が、まだマシかもしれない」




 ソウが連を見た。「四人か五人、能力者。情報の精度は」




「目撃者の能力が感知系だから、人数については信頼できる。ただし能力の種類はわからない」




 カイは部屋を見回した。倉庫の地下。出口は二つ——来た時の地下通路と、別の階段。天井が低い。広さはそれなりにあるが、入り口を塞がれると逃げにくい。




「ナナセ」カイは言った。「お前は今夜、フジサキのところに行ってくれ。今の状況を伝えて、安全を確認してほしい」




「一人で行くの」




「連が送っていく」カイは連を見た。




「俺も戦いたい」連は言った。




「戦力として、ナナせを守ることが優先だ。お前の情報網も、今夜は外からの方が使える」




 連は一瞬、考えた。「わかった」







 夜の九時を回ったころ、気配が来た。




 地上からの気配ではなく——地下通路の方からだった。地下から来ている。昨夜の下見で、地下の構造を把握したのか。




「地下から来る」ソウは言った。静かな声で、でも確信を持って。「地上は囮か、あるいは挟み込む算段か」




「両方から来たら、挟まれる」カイは言った。




「なら、片方を先に潰す」ソウは言った。「地下通路が狭い。そこで一人ずつ相手にする方が、広い部屋で全員に囲まれるよりマシだ」




「地下通路に入っていくのか」




「俺が先に入る。お前は後ろで待機しろ。俺が一人目を引きつける。接触できる距離になったら、お前が出る」




 カイは少し考えた。




「逆だ」カイは言った。「おれが先に入る」




「能力を使えるのは接触してからだろう。接触するまでの距離で、俺の方が動ける」




「おれが先に入れば、向こうは能力者だと思って能力を使ってくる。その瞬間に接触すれば、一発で奪える」カイは言った。「おれがおとりになる。ソウが後ろから来い」




 ソウは三秒間、カイを見た。




「……わかった」ソウは言った。「だが、無茶をするな。七割で使え」




「わかってる」







 地下通路に入った。




 暗い。小型ライトを持っているが、点けなかった。点ければ居場所がわかる。向こうも暗闇の中で動いているなら、互いに見えない状態の方が、接触距離に入りやすい。




 音がした。




 足音が二つ。通路の向こうから来ている。二人。思ったより近い。もう五十メートルもない。




 カイは壁際に体を押しつけた。静止した。息を浅くした。




 足音が近づいた。二十メートル。十メートル。




 先頭の人間が、光を纏い始めた。能力を起動している。赤い光——炎系か。通路の壁を照らす炎の光の中で、輪郭が見えた。大柄な男。後ろにもう一人、細身の人間がいる。




「いるぞ」先頭の男が言った。「気配がある」




 カイは動いた。




 炎が来る前に、踏み込んだ。三歩で距離を詰めた。ソウに叩き込まれた重心移動——右足を軸に、体全体を前に投げる動き。左手を壁に触れながら、角度を変えた。炎が通路の壁を焼いた。カイの肩をかすった。熱い。でも止まらなかった。




 男の右腕を掴んだ。




 感情が来た。




 怒り。焦り。その下に——何かを恐れている感情がある。マーケットの仕事で失敗した時の恐怖。失敗すれば自分が消される、という底に沈んだ恐怖。炎獄と同じ種類の、縛られた人間の怯えだ。




 能力が来た。炎。熱制御の炎。ソウの炎より荒削りで、でも温度が高い。




 カイは手を離した。炎を後ろの男に向けた。細身の人間が後退した。壁が赤くなった。細身の男が後退しきれず、炎の端を受けた。呻き声がした。




「何をした」先頭の男が怒鳴った。「自分の炎で——」




「奪った」カイは言った。「お前の炎を」




 男が動いた。炎なしで来た。殴りかかってくる。カイは後退した。ソウに習った、体の軸をずらす動き。拳が顎の横を通り過ぎた。反撃しなかった。今は炎を使う必要がない——後ろからソウが来る。




 ソウが来た。




 気配がした、と思った瞬間に、ソウの腕が男の首に回った。格闘家の技だ。能力なしで、完璧な制圧だった。男が抵抗しようとした。ソウが角度を変えた。三秒で、男が崩れた。意識は残っているが、動けない。




「もう一人」ソウが言った。




「炎を受けた。動けないと思う」




 確認すると、細身の男が壁際に崩れていた。炎の端が当たった箇所を押さえて、立ち上がれない状態だった。致命傷ではない。でも戦闘不能だった。




「地上は」カイは言った。




「来てる」ソウは言った。「気配が三つ、上から」







 地下通路を戻った。




 倉庫の扉を開けると、三人が待っていた。




 別の入口から入ってきていた。倉庫の中に、もうすでに入っている。三人が、扉が開くのを待っていたように向き直った。




 三対二。




 カイは状況を素早く読んだ。三人の能力の気配を確認した。一人は体が歪んで見える——知覚操作系か、空間系か。一人は床から何かが這い出してくる気配がある——物質操作系か。一人は特に何も起きていない。でも、最も落ち着いていた。指揮役か、あるいは遠隔系の能力者か。




 接触しなければ奪えない。三人を同時に相手にしながら、接触距離を保つのは難しい。今の炎を持っているが、炎は接触なしで使える。でも——七割で使え、とソウに言われている。




 知覚操作の男が動いた。




 視界が歪んだ。




 空間が捻れるような感覚がある。どこが前でどこが後ろか、わからなくなる。知覚を狂わせる能力だ——ただし、完全ではない。床の感触は残っている。足の裏の感触は、知覚操作では変えられない。




 カイは目を閉じた。




 足の裏だけを信じて、動いた。視覚を捨てて、聴覚と足の感触だけで位置を取る。床の傾きが変わった。扉に向かっている——扉は、カイが出てきた方向だ。つまり、倉庫の奥へ向かっていた。修正した。




 物質操作の男が床から何かを出した。金属の棘のような突起が、床から生えた。複数。カイの足に向かって伸びている。目を閉じていなければ気づかなかった動きだった——視覚があれば、視覚の歪みの方を先に処理してしまう。




 目を開けた。歪んだ視界の中で、床の棘の位置だけを確認した。跳んだ。棘の上を越えた。




 着地と同時に、物質操作の男の腕に触れた。







 感情が来た。




 物質操作の男は——怒っていた。純粋な怒りだった。マーケットへの従属に、ではなく——カイという存在への怒り。「こんな子どもに」という、プライドの傷から来る怒りだ。他の男たちと違う。縛られた怯えではなく、自分の意志で動いている怒り。




 能力が来た。物質操作——金属や石材を意のままに形成する力。範囲は半径十メートルほど。精度が高い。細かい制御ができる。




 同時に——知覚操作の能力も、カイに向かってきていた。さらに歪む。




 カイは物質操作で、倉庫の床の金属板を一枚剥がした。壁のように立てた。知覚操作の男とカイの間に遮蔽物を置いた。知覚操作は視線が通る範囲で機能する能力らしく——遮蔽物を挟んだ瞬間、視界の歪みが和らいだ。




「……」知覚操作の男が、壁を迂回しようとした。




 ソウが動いた。知覚操作の男の前に出た。能力なしで、壁になった。




「お前は俺が相手だ」ソウは言った。







 残るは物質操作の男と、指揮役の男だ。




 物質操作は今、カイが持っている。その能力者本人は、能力を奪われた状態になっている。一時的に、能力が使えない。




 指揮役の男が動いた。




 今まで静止していた男が——壁を通り抜けた。




 通り抜けた。




 壁のコンクリートを、そのまま歩いて通り抜けた。位相操作。物質の位相をずらして、固体を透過する能力。接触系に対する、最も有効な対策の一つだ。触れようとしても、相手が固体を透過できるなら、掴もうとした瞬間に手が空を切る。




「模写能力者には、これが一番効く」男は言った。落ち着いた声だった。分析している声だ。「接触できなければ、奪えない。違うか」




「違わない」カイは言った。




「なら——」




 男が腕を伸ばした。位相をずらした腕が、カイの体に向かって来る。透過した状態で体に入られれば——内部から何かをされる。能力の仕組みはわからないが、危険だとわかる。




 カイは後退した。でも壁がある。逃げ場がない。




 考えた。




 物質操作の能力を持っている。位相操作の男が透過できるのは、物質の位相をずらすから——物質そのものが変化したとしたら、どうなるか。




 試した。




 床の金属板を、高速で形状変換した。男の足元で、床が変形した。位相操作で透過できるのは、静止した固体に対してだ——変形し続ける物質に対して、位相を合わせ続けることは難しい。




 男の動きが、一瞬止まった。




 その一瞬で、カイは動いた。




 変形する金属に向かって男が一歩踏み込んだ瞬間、男の手首が固定された。変形した金属が、手首を掴んだ。位相を合わせきれない速さで、金属が動き続けた。完全な固定ではない。でも、一瞬だけ——接触できる状態になった。




 カイは男の固定された腕に触れた。







 感情が来た。




 三人目の感情。




 今夜の感情の洪水だ。炎の男の怯え、物質操作の男の怒り、そして——この男の感情は。




 なかった。




 感情が、ほとんどなかった。




 カイが今まで触れてきた誰よりも、感情値が低かった。空洞に近い。でも——廃人でもない。計算している。分析している。感情を持たない状態で、知性だけが動いている。




 カイは一瞬、息が止まった。




 感情がゼロに近い人間の内側を、初めて見た。




 これが——おれの向かう先だ。感情値がゼロになった人間の内側。知性はある。でも感情がない。冷たい、計算だけがある空間。




 能力が来た。位相操作。




 カイは手を離した。




 固定が解けた。男が後退した。カイも後退した。二人が距離を置いた。




「……見たか」男は言った。静かに。「俺の内側を」




「見た」




「感想は」




「怖かった」カイは言った。




 男は少し止まった。




「感情が薄いのに、怖かったのか」




「感情が薄いからこそ、わかった」カイは言った。「あれが、おれの向かう先だと思った。感情値がゼロに近い人間の内側は——ああいうものだとわかった。だから、怖かった。論理として」




 男は長い間、カイを見ていた。







 倉庫の中が静かになった。




 知覚操作の男は、ソウに押さえられていた。物質操作の男は、能力を奪われたまま床に座っていた。位相操作の男は——動かなかった。




「今夜は引く」位相操作の男は言った。「もう一度来ることもない」




「なぜ」




「お前に感情値の話をした。あれは俺の失敗だ」男は言った。「マーケットの任務としては失敗した。でも——お前が怖いと言ったことは、本当だと思った。感情が薄い人間が、論理として怖がった。それは——俺の内側に、まだ何かが残っているということかもしれない」




「何が残っている」




「わからない」男は言った。「でも——怖がられた。それを感じた。感じることが残っていた」




 男が出口に向かった。




「待て」カイは言った。「お前の名前は」




「名前を教える理由がない」男は言った。「でも——聞くなら答える。ゼン。それだけだ」




 ゼン、という名前だけ残して、男は出て行った。位相操作で壁を透過して、消えた。







 全員が出て行った後、倉庫の中にカイとソウだけが残った。




 ソウが床に座った。疲れた様子が、珍しくあった。能力なしで知覚操作の男を押さえ続けたのは、消耗したのだろう。




「カイ」ソウは言った。「お前、今夜——三人から同時に奪ったな」




「三人は奪っていない」カイは言った。「二人だ。炎の男と物質操作の男。位相操作は——使えなかった」




「それでも二人を同時に処理した。今までは一人ずつだった」




「一人ずつじゃなかった。同時ではなく、順番だ」




「順番でいい」ソウは言った。「複数を順番に処理できるようになった。それが今夜の変化だ」




 カイは右手を見た。




 炎の感触がある。物質操作の感触もある。位相操作の感触は——来たが、一瞬だけで、使い方を受け取る前に手を離した。




「感情値は」




「測れないが——下がった。今夜は消耗が多かった」




「分離制御は」




「一部で維持できた。でも全部では無理だった。速く動きながらは、まだ崩れる」




「それが次の段階だ」ソウは言った。またいつもの答えだった。




「わかってる」カイは言った。







 連とナナせが戻ってきたのは、深夜だった。




 状況を話した。連は「拠点を変えるべきかもしれない」と言った。「今夜来たなら、次も来る。場所が特定されている以上、ここは使えない」




「フジサキの地下鉄拠点に移るか」ソウが言った。




「相談してみる」連は端末を操作し始めた。




 ナナせが、カイの隣に座った。「怪我は」




「かすった程度だ」カイは肩を示した。炎にかすったところが、コートが焦げていた。皮膚には至っていない。「問題ない」




「感情値は」




「下がった。今夜は消耗した」カイは言った。「でも——一つ、わかったことがある」




「何が」




「感情がゼロに近い人間の内側を、見た」カイは言った。「位相操作の男——ゼンという名前の——感情がほとんどなかった。見た時、怖かった」




「怖かったの」ナナせは言った。「感情が薄いのに?」




「論理として怖かった」カイは言った。「感情的に怖いのとは違うかもしれない。でも、怖いと認識した。あれがおれの向かう先だとわかったから」




 ナナせは少し間を置いた。




「怖いって認識できるなら——まだ大丈夫だよ」ナナせは言った。




「そうかもしれない」カイは言った。




「怖いって気持ちが——感情の一つだから」ナナせは続けた。「論理でも、怖いって感じられるなら、まだ感情の根っこが残ってる。完全にゼロじゃない」




 カイは右手を見た。




 炎の感触と、物質操作の感触が、まだ残っている。ゼンの感情の空洞も、記憶に残っている。恐ろしい空洞だった。あれにはなりたくない、という意志が——確かに動いた。




「わかった」カイは言った。「なりたくない。あそこには」




「なならないために、訓練する」ナナせは言った。「一緒に」




「ああ」カイは言った。「一緒に」







 深夜、連から連絡が来た。




 フジサキが「こちらに来い」と言っている。地下鉄の拠点に移ってくれ、と。部屋は準備できる、と。




「移動する」カイは言った。




「明日の朝に動こう」連は言った。「今夜は流石に疲れた」




「そうだな」カイは言った。




 倉庫の中に、今夜戦った跡が残っている。変形した床の金属板。焦げたコートの臭い。壁の焦げ跡。




 カイはランタンを見た。




 今夜、三人の感情を受け取った。炎の男の怯え。物質操作の男の怒り。ゼンの空洞。全部が、まだ体の中に残っている。重さとして積み重なっている。




 でも——感情値は下がったが、消えていない。




 怖い、と感じた。論理としてでも、感じた。




 ナナせが言っていた。怖いと認識できるなら、まだ大丈夫だ、と。




 カイは目を閉じた。




 雨の音が、地下まで聞こえていた。ネオ東京では、いつも雨だ。でも今夜の雨は——音が少し多かった。天井の複数の隙間から、雨粒が複数の方向で落ちてくる音が混ざっている。一つじゃない。複数の水の音が、重なっている。




 それが——今夜の戦いに、少し似ていると思った。




 複数を、一つずつ相手にした。次は——もっとうまくやる。




◇ ◇ ◇




次話 第十五話「記憶の洪水」


フジサキの地下鉄拠点への移動直後、マーケットの包囲網が再び動く。今度は逃げ場がなかった。窮地の中、カイは三人同時の複数模写を試みる。流れ込む感情と記憶が、洪水のように押し寄せる——そして初めてカイは、自分の感情値が「一桁」に触れる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ