大問題直面
Q.これ、本当はもう少し早く投稿するべき話だったんじゃないですか?
A.すみませんでした。
風が入ってくる。少し汗ばんでいた体には、ひんやりとしていてとても心地が良い。
丘の上に座っていた私は、そんなことを考えながら時間が経つのを待っていた。
ずっとここで息をするだけでいたい。他に何も考えたくない。
憎悪はもちろん残るけど、それ以上にもう疲れた。
こんなに疲れているのは、何も歩いてくるのに疲れているからじゃない。もちろんそれで多少は疲れているけれど、それ以上につかれる原因があった。
それはなんといっても、今の私が大きな問題を抱えているからだ。
その問題とは、率直に言えば食糧問題。
ここ最近、学校での昼食くらいでしか食べ物を口にしていなかった。
そのおかげ、というかそのせいで、体が悲鳴を上げている。
今までだってこんな風に忘れることがあったけれど、毎度毎度このくらい限界が近づかないと気づかない。不思議なものだ。
解決方法は一つあるといえばある。
施設に帰ること。だがしかしもちろん却下である。
そもそも、此処から街のほうに行くのにも時間がかかる。
どこに行くにしても、その場所につく前に完全に体力が尽きるとしか思えない。
もう少し考えてから来るべきだったか、と、ここ最近は特に多い後悔のため息をつく。
このままここで野たれ死ぬなんてごめんなんだけれど、どうしようもなさ過ぎて頭が痛い。
「……じっとしてたら、余計空しい気がする」
数秒後、自分にそう言い聞かせた私は、このあたりを少し探索してみることにする。
私の知らないことがあるかもしれない。じっとしていても何も解決しない。
犬も歩けば棒に当たる、だ。たとえどうにもならなかったって、何もしないよりかはいい選択といえるだろう。
適当に歩き出す。そうしてやっぱり、ここは町中とは違う、と感じ始める。
緑が綺麗だ。自然の香りが漂っている。なんだかすべてが心地いい。
丘にいるのだから当たり前、なのかもしれないけれど、なんとなくそれが素晴らしいと思えた。なんとなく、だから何故かはわからない。
「やっぱり、一人でもこんなことを思えるじゃん」
なんであそこまで人といたんだろうな。
一人であってもこれほどまでに呑気なのだから、大丈夫だっただろうに。
……過去のことを気にしても仕方がないか、何より今はどうでもいい。
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それからも、なんとなくを頼りに歩いて、見て、ぐるぐるとしていた。
その度に、本当に重大な問題に直面していると分からないくらい呑気なことを考えて、時間を潰して。
もうそろそろ本当に限界だ、ちょっと歩くくらいでどうにかなるわけなんてないだろう、と頭が言い出してきた頃。
「あっ」
丘を少し下っていた方にある、小さな段差の上に立っていた私は、そのまま下の方へ足を踏み外す。
「え、っちょっ……」
ゴンッ!
強い衝撃とともにゴロゴロと転がり落ちていく。
頭が痛い。いや、体中が痛い、痛すぎる。
じんじんして気が持たない。とにかくこの痛みをどうにかしてほしい。
そんなことをもうろうと考えながら、ふと前を見る。
そしてその光景を見て、理解できなくて、息を詰まらせた。
「うそ、なんで、こんなところに」
私の目の前には、一つの家がたっていた。




