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心から心配をする人

今までの疑問が一瞬で消え失せる。

つまり…似ていたのは家族で、しかも双子だったから…?

聞いてしまえば納得できるけど、考えもしなかった事象に少しの間困惑する。

が、そんなことをしている場合じゃないと思うと、その困惑も振りほどける。


…それで、なんだっけ。

ああそうか、優也がどうしているのか…だっけ。

話そう、と言葉を考えたのもつかの間、言うて私もよく知らないし、話すとまずいこともあるのだ。

なかなかに話づらい。


「…まぁ、元気、だと思いますよ…私も出会って少ししかしてないので何とも言えまえんが」


何とか言葉を見つけ出して適当にごまかしておく。

これで乗り切っていけるだろうか。


「…そっか」


本当に安心したようにそっと息をつく安齋先生。

そしてすぐに、


「何か忙しそうだったりした?」


と、まだまだ質問が飛んでくる。

それに答えても、また次、その次と飛んでくる。

私はそのすべてに誤魔化しをいれながら答える。


その度に安堵する安齋先生の姿を見て、本当に心配していたんだと今更ながらに理解した。


そこまで心配させるほどの何かを優也がしたとは思えない。

顔を合わせてもらえなかった…というのも少し気になる。

…まさかあのカギ…とも思ったけれど、流石にカギとは関係がないだろうと開き直る。


気になることはこちらも山々なのだけど、聞けるようなムードでもないし、余計なことも話したくない。

私はさらに飛んでくる質問に適当に答えることしかできなかった。


~~~~~~~


そうして数十分と経った頃だろうか、やっと質問攻めから解放される。

ちなみに雪先生はずっと黙って聞いてくれていた。


「ここまで付き合わせてしまって申し訳ない…」


安齋先生がそうやって謝ってくる。

外はすっかり真っ暗だ。


「いえ、大丈夫です」


学校で普通に過ごすよりかはマシだったと思う。

そこまで考えて、とあることを思い出した。


「その…博之…サン…は?」


名前を出すだけでも嫌なのにさん付けをしたためやや片言になる。

これだから敬語は嫌い。


私がこのことについて聞いたのは、あれからどうなったのか私は知らなかったのか。

…あれで本当に、あいつは消えてくれたのだろうか。

そう、思ってしまった自分がいたからだ。


片言を気にせずにいてくれた、安齋先生は答える。


「今日は休みだよ」


そして、続けて「無理して敬語を使わなくてもいいからね」という。

私はそれより、休みという単語が気になってしまってあまり耳に入っていなかったけど。


…休み、ということは、まだ消えたわけじゃないのだろうか。

それとも、見つかっていないのだろうか。

ぐるぐると思考が渦巻きだすけれど、やっぱりい自分じゃ答えにたどり着けないと諦める。


「それより、早く帰らなくて大丈夫なの?」


そんなことを雪先生が言ったのでハッとして慌てて立ち上がる。


そうして、雪先生と安齋先生、まとめて「ありがとうございました」と言って今日は帰ることにする。

…帰る場所なんてあの公園くらいだけど。


そうして私は帰り道に立つ。

先生という人達が、何を考えているかも知らずに。

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