来訪者は突然として
ピンポーン
本当に狙ったようなタイミング。
そこで、インターホンは鳴った。
ピンポーン、ピンポーン
どうやら、連打されているようだ。
無視をするわけにはいかない、と真っ先に思ったのだろう。
優也がインターホンをいじり、外にいる誰かとの会話を始める。
と、思えば。
くるりとこちらをみて、そのまなざしを私に向けたまま笑顔を見せる。
「来客だよ」
最初、何を言っているのだろうと思った。
なんで私に言う必要が?
…出て行ってほしいのだろうか。
そこまで考えていたところで。
そのまんま立ち尽くしている私を、疑問に思ったらしい。
じっとそのまま見てくる。
…なんで見てきているのだろう、と思ったところで、優也ははっとしたようにする。
まだ疑問符を頭の中で浮かべている私に、優也はもう一度口を開く。
「君に、来客だよ」
「…え?」
「…今、なんて?」
「君に、来客だよって…君を訪ねに来た人がいるって」
「なんで??」
意味の分からなさが加速しつつも、インターホンに映る人を見に行く。
そして、また私は硬直することになる。
そこに映っていたのは、つい最近見た顔。
そう、昨日とかに学校で見たような。
「雪先生…??」
まさか、と思うが今は夢を見ているわけじゃないのでちゃんとしたホンモノ。
さらにさらに意味の分からなさが加速しようとしたけど、待たせるわけにはいかないので外に出る。
そして、開口一番がこれ。
「ついてきて」
「…はい?」
つい、てきて…?
どこに?
なんで?
と聞きたいことであふれているはずなのに言葉はうまく出てこない。
もう一度思考はぐるぐると渦巻き始める。
そんな私を見かねたのか、話をし始めてくれる雪先生。
「さすがに無断で休むのはまずいわよ」
あまり詳細は話してくれなかったけど、それだけで伝わったものは伝わった。
なぜなら、今日は平日だから。
「お断りいたします」
まず、即座に逃げを選ぶ。
とりあいず、行きたくない場所であることはすぐに分かった。
わざわざ付き合う必要もない。
…なんでここにいるのを知っているのかとか、聞きたいことはまだ山ほどあるわけだけど。
雪先生は、じっと疑うような視線を向ける。
「元気そうに見えるけど…?」
「少し熱っぽいのでお休みさせていただきます。」
無断がだめならいえばいいんでしょう?と圧を込めて見つめながらそう言ってやる。
が、大人はやっぱり強かった。
「今から熱を測っても?」
そんなに行かせたいのか、とうんざりしながら視線を外す。
…これは面倒なことになりそうな予感しかしない。
その後、結局雪先生に学校まで半ば強制的に連れていかれた。
ひとつ、普通と違ったのは。
「…教室じゃないんですか?」
「一応ここも立派な教室よ」
なぜか、空き教室に連れていかれたというところ。
…そこで、優也に完全に話を逸らされたと気付いたのはまた別の話。




