僕の目的。
※前回の最後にも言いましたが、今回の話は優也視点です。
僕には、僕の目的がある。
そのためには、なんだってしてきた。
いや、今もしてる。
例えば――今、目の前ですやすやと寝息を立てるこの少女を利用するとか。
ただ利用するって言っても、僕は徹底的に利用している。
例えば、少し催眠をかけるとか。
そうすれば、僕の都合のいいように暴れてくれる。
その隠蔽は僕の仕事なんだけど。
それでも、暴れてくれればその分ありがたい。
彼女の目的も、人柄も、労力も、なにもかも利用する。
そうすれば、きっと、僕が十年以上夢見た光景にありつける。
このモノクロの日常が、鮮やかな紅に染まるだろう。
そう考えると、心の中で歓喜が渦巻く。
最初は、ここまでうまくいくなんて思っていなかった。
実際、彼女のことを知ったのも偶然であり、意図して探し回ったわけでもない。
たまたま話に聞いていた、少し使えそうと思っていた少女が目の前を歩いていた。
だから声をかけてみた。
少し、例え少しの確率でも僕の目的に近づける可能性があるんだとしたら。
この少しに好機にかけてみよう。
そう思っただけだった。
ただの、なん保証もない賭けだ。
でも、僕は運がよかったみたいで、大儲けして。
今、着実に僕は事を進めている。
神様っていうのも、少しは信じてみるものだね。
「んぅ…」
未だに、安らかに眠ったままの目の前の少女は、きっと僕の考えてることなんて知りもしない。
自分を演じて、できるだけ彼女にとって価値のある人物に見せかけて。
僕のことを捨てる、なんてことはできないように。
逃げられるのだけは、困るからね。
…もう少し警戒心が強くて、人なんて全く信じない人なら、ここまで上手くはいかなかった。
それでも、今こうして不自然なほどに順調なのは、彼女は何かに迷っているから。
その迷いが何なのかは、僕には見当もつかないけれど。
彼女を横目に温かいミルク…ではなく、コーヒーを手に取る。
口をつけて、再び思考を始める。
きっと、その迷いのせいで、僕の計画が狂うことはないだろう。
なんせ、僕の素性も知らないくせに、のこのこ家にやってくるような人だから。
だから、大丈夫。
そのことについては、何も考えなくていい。
ただ一つ、気にしなければいけないことは。
僕に彼女のことについて教えた人。
僕を昔から見ていた人。
彼女について、おそらくある程度分かっているであろう人。
彼女の通う学校の先生を務める人。
あの人だけは、その人だけは。
きっと、僕にとって嫌で嫌で仕方のない存在になる。
あの人に気づかれたら、“終わり”だ。
…それでも、ここまでやってきたのだから、止まるわけにはいかない。
だから、悪くは思わないでほしい。
君も、あの人も。
そう思いながら、まだ少しだけ心に残る何かを振り払った。
もっと早くに出そうとしたのに!!
ここまで遅くなってしまった!!
申し訳ないです、あまりにも投稿頻度が終わってるって話ですよね…。
次回は…できるだけ早めに作ります…。




