著者:吉ジョウジ「葛飾ナイトパーティー(8/25~8/30)」
8/25(月)晴れ
夜明けに近所のセブンまで歩いた。空が意味不明な色をしてたり、街全体が静まり返っていたりで、パラレルワールドに漂着したみたいな変な感覚がする。
でも、空をよく見れば、オレンジと水色がいいコントラストになってるし、耳をよく澄ませば、遠くで雀の鳴くきれいな声が聞こえる。まだ淡い日の光が絶好のスポットライト、雀の鳴き声が盛大なマーチになって、自分は誰もいない通りを大行進する。
8/26(火)天気不明
あたまが痛い。今日は何もなかった。にじむ汗だけ意識にあった。薄暗い蛍光灯に照らされて、今も、エアコン代がひっそり積もっていく。
8/27(水)晴れのち曇り
服が重なってきたから久々に洗濯した。ベランダに出ると、江戸川のほうから熱風が吹き付けてきてバカ暑い。見上げると空が青すぎる。デニムの青が白シャツに色移りしてないか一応確認しておいた。空の青はあんなに青いのに、なんで雲に色移りしないんだろう。
8/28(木)晴れ
久々に兄と会った。昔は兄だって、自分と変わらない子供だと思っていたのに、今になってはもう兄の背中ははるか遠くにかすむみたい。親から完全に自立して、結構いい職について、結婚して家庭を築いて。自分と7つしか違わないのにさ。話すだけでも、その余裕がビシビシ伝わる。それで、弟の自分を気にかけてくれて、高そうなご飯に連れてってくれる。ああ、その余裕と金はどっから湧いてくるんだ。どんな手を使って、その人と結婚したんだ。兄ちゃんは、子供ではなくなったのか。あと7年で、兄ちゃんみたいな人になれるのか?
8/29(金)曇りのち晴れ
「先生って右派ですか左派ですか?」「誰にも言ってませんでしたが実はスンニ派です」塾講師はこれだけで笑いをとれるからたやすい仕事だ。この瞬間をもって、自分はスンニ派現代文講師と見なされるようになったわけだが、これは些細な問題である。
8/30(土)晴れ
古い友人にまた会った。彼も自分も、高校の時から何一つ変わってない。俺らどっちも酒に弱いくせに、35%のウィスキーをロックで飲んだ。二人とも下手なくせに、ずっとサカナクションを歌った。あとは、だらだらと女の話をして、二人して腹抱えて笑ってた気がする。ろくに恋愛なんてしたことないのに。
、、、はっ? お前みたいな変態で偏屈で、細目で頑張って見れば吉沢亮に若干似てるギタリストピアニスト思想家ガキに、俺の草稿見せるわけないやん? あっ、ちょ、おい、触んなクソガキ!!!
注)半分くらいはフィクションのつもりです




