表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

著者:圭太「禁断症状」

 あと何駅。2。いや、3駅。くそっ。別のとこに座ればよかった。目の前の子供の元気で無邪気で、恐れを知らず、俺の苦しみを知らず、よく喋り、呼吸するように笑顔を振り撒くその姿!俺の顔に唾を飛ばして面白がっているのか。口角を釣り上げる動作だけで愛される存在。ニカッ。ああ、ほら。泣いてしまった。どこかへ行ってしまった。まあこちらとしては都合がいい。幼い子供には席を譲らないといけないからね。ただ、できるならば泥遊びの途中の手しか持ち合わせていないとしても、ハグして欲しかった。愛されたい。ドラッグの禁断症状というのはこれ程に辛いのか。


 あと2駅。生物とは、そこらに転がっている物質を電気信号で動かしたに過ぎない。だから今感じているそこかしこの痛みや倦怠感もそう感じさせられているだけであり、その実はアルプスの麓に立ち体を伸ばす俺とも変わらず、200メートル自由形でオリンピックを優勝する俺とも、ノーベル賞の受賞演説をする俺とも変わらないのである。それはつまり何にでもなれるということである!これこそノーベル賞級の発見だ。まだ、やり直せる。


 あと1駅。落ち着いてきた。続いて眠気がやってきた。まぶたの裏に流星が見える。この場合願い事は叶う?1駅分程の心地よい眠りから覚めると、これまで感じていた鬱々しい感覚は過ぎ去っていた。こんなことならもっと早く眠っていればよかった。腰を上げてドアの前に立つ。あれ、目的地はもうひとつ先じゃないか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ